蛇を踏む
少々活字から離れてしまったと感じるとき、
決めている訳ではないのに手にしてしまうのが 川上弘美さん。
(最近始めた このブログに時間を費やすあまり 自分の読書時間を減らしてしまっていました。反省)
今回は「蛇を踏む」を読みましたが 出会いは 「センセイの鞄」。
読後に知りましたが、芥川賞など大きな賞を受賞されているのですね。
「センセイの鞄」は 大好きです。
居酒屋で恩師とであったツキ子さん。30歳以上歳の離れた二人に淡い想いが生まれます。
敬語で続く会話や、触れたいようないけないような気持ちが交錯する状況が、なんとも美しく清らかで微笑ましくココロに染み入ります。悲しい別れが待っていますが、「いい子ですね」と頭を撫でられた、子供になったツキ子さんの気持ちが、爽やかな印象で残ります。
「蛇を踏む」は 私にとって 新しい川上弘美。
カナカナ堂に勤めるサナダヒワ子。ある朝 蛇を踏んだことから 蛇に住みつかれてしまいます。
コスガさん夫妻との生活。蛇との生活。
嫌だけれど嫌じゃない、追い出したいがいてほしい、行きたくないが行ってみたい・・・人間が生きてくうえで表面には表さない、みんなが閉ざしている本性、まったりねっとりした何かがズルリと出てきたのが蛇なのか・・・過去の念が何かの形で自分の弱いところから染み出てくるのか・・・もう少し考えてみないと良くわかんないなぁという読後感でした。
ニシ子さんが言いました。
「コスガのことだってずいぶん好きだったわ。でもコスガはあんまりあたしのことが好きじゃないのよね。好きが裏返って嫌いになってまた好きになってあと3回くらい裏返ってそれで少し嫌いなのよね。でもそういう嫌いの中には好きがまだらにまぶされているから、コスガはすごく気分が悪いんだわ。だから寝てばっかりいるのよ。」
ちっとも中心じゃない心情が、なんだかとても理解できて、女っぽくって、ため息がでました。

