
男女平等の考え方が進んた北欧の国、スウェーデンでは、国会議員が男女約半々で、社会で活躍する女性が多い国です。 フェミニストとは、男女がともにいたわり、思いやり、仲良く生きていくには、どうしたらいいか考え、行動する人のこと。 男らしく、女らしくとは? わたしはわたし、ぼくはぼく、自分らしくハッピーに生きるとはどんなこと? だれもが平等に自分らしく生きるとはどんなことか、スウェーデンの子どもたちと一緒に考えます。http://www.iwasakishoten.co.jp/book/b357381.html(岩崎書店サイト)
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これまで子どもの本は、女の子と男の子両方に、「夢を持ちなさい」というメッセージを盛んに発信してきました。
でも夢をみろと言うのなら、社会に立ちはだかる障壁をも示し、「大人も闘う」と言うのが筋ではないでしょうか? この本では、社会をよくしようと長年闘ってきたフェミニストのおばあちゃんが10歳の女の子に、「今度はあんた達の番だよ。自分達のやり方でやってごらん」とバトンを渡す姿がすがすがしく描かれています。
この世の中には、悲しいぐらいに、フェミニズムに対する誤解が蔓延しています。魅力的なフェミニスト像を示すことで、「私はフェミニストだ」と胸を張って言える社会を作ることはできないでしょうか? この本では、『フェミニスト』という言葉がひるまず使われています。子どもだって、考えることができます。子どもの本の言葉はまっすぐでシンプル、ごまかしがありません。
子ども達はこう言います。「(大事なことを決めるのに、女の人も子どもも加われば)よりよい決定がされて、世界がもっと面白くなる」
北欧では女性だけでなく、男性までもが、「男女平等は当然、必要」、「男女平等は闘って勝ち取るものだ」と、一般常識として認識しているようです。
このような認識を社会に広めるには、フェミニズムとは何か、またフェミニズムの歴史を易しい言葉でシンプルに伝えることが不可欠です。この本が全ての人が自分らしく生きられる社会を作る一助となれば幸いです。
この本の中で、おばあちゃんは孫の女の子にこう言います。「(ヨーロッパでも男女の不平等に憤る人はいたけれど、その多くは)声を上げたりはしなかった。いや、数百年たった今では、そういうこととされている。当時の庶民の女性のことは、あまり分かっていないんだ。歴史の資料には、戦争や王様のことばかり書かれているからね。わたしたちの祖先のおばあさんたちのことは、大して分かっていないんだ」
日本のフェミニストもほとんどいなかったことにされていないでしょうか?
なぜ日本の教科書や子どもの本で、男女平等が必要なものだとはっきりと書かないのでしょうか?
この本では、男の子も女の子も一緒になって男女平等について考え、意見を交換し合い、どうして問題がなかなか解決されないのか――どうしたら社会を変えられるのか、真剣に考えます。子どもの本ですが、性暴力の問題についても描かれています。
著者は『10歳からの民主主義レッスン』という児童書も描いていて、民主主義についてスウェーデンの学校などでワークショップも行っています。
どうしたら男女が敵対的にならずに、男女平等について対話できるのか、公正とは何か、理性的な議論とは何か――大人が読んでも学びがたくさんある素晴らしい本です。
Feminism fo reverybody
フェミニズムは女性だけでなく、男性、子ども、皆のものです。
著者略歴
ブーレグレーン,サッサ
1953年生まれ。作家、画家。スウェーデン芸術家協会、スウェーデン作家協会会員、2002年『10歳からの民主主義レッスン』(2009年、明石書店、二文字理明・訳)でカール・フォン・リンネ賞(年間最優良児童青少年ノンフィクション部門)を受賞。多くの児童書を発表している。民主主義と平等について(参政権がない子どもがどうやって社会に影響を及ぼすことができるか?)、子ども向けのワークショップを行う。スウェーデン在住
枇谷/玲子
1980年、富山県生まれ。2003年、デンマーク教育大学児童文学センターに留学(学位未取得)。2005年、大阪外国語大学(現大阪大学)卒業。在学中の2005年に翻訳家デビュー。北欧の児童書などの紹介に注力している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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