新しい同居人は二十そこそこの新婚さんでした。
初めての子供が出来たが、出血があり、流れるか定着できるかの微妙なライン・・・
「安静を」といわれても家にいては動いてしまうので、ベットに縛り付けるいみでの入院だそうだ。
控えめで線の細い彼女は私の真向かいのベッドでいつも顔がみえる位置をじんどりました。
彼女は淀川沿いで父が土木業をしている・・・というではありませんか・・・
同業者とあって質問が飛び交う中、なんと彼女のお父さんが私の実家近くのゴルフ場の工事の仕事中、ゴルフ場で生き埋めになって助けを待っていた・・・と怖い話をしだしました。
ようやく携帯がつながってナビゲートするものの事故現場にたどり着くには地図のないサバイバルのような手探りで、日が暮れてからようやく救出されたというエピソードを披露してくれました。
あまりにローカルなはなしに親近感がわき、まるで妹のような感覚でみまもるようになりました。
2日ほどすると、がっちりした車椅子のおじさんが彼女のお見舞いにきました。
???なんだ?けが人が病院にお見舞い??と変な光景にめをまんまるくしていると、彼女が「お父さんです・・・あの生き埋めになった・・・骨折していま車椅子なんです・・・」というではありませんか。
てっきり過去のはなしかとおもいきや、「骨折なう」ではありませんか・・・あらまぁとおもいながら、お話の登場人物の突然のお見舞いにへやの住人数名がお見舞い人の会見ををうらやましそうに眺めていました。
ほどなくおじいちゃんD.rが看護婦2名を従えて、面会の父に説明しに鼻歌を口にしながら病室までやってきました。
「ほらほ~ら黄色いさくらんぼ~♬」周りのみんなは???このおじいちゃん先生ご機嫌やな~♪
なに歌ってんの・・・
しかも超懐メロ・・・
かと思っていると、「娘さんはまあ見えそで・・・みえない・・・」
「黄色いさくらんぼなんです。べつにいえでじっとできれば入院するほどでもんしんですが・・・まあここ1週で落ち着くか、流れるかはっきりするでしょう・・・ダメな時はダメやし、生命力のある子は大丈夫やし・・・こちらはとくになにもすることはありませんので・・・。」
という説明をおえると再び、きいろいさくらんぼの歌が廊下へと・・・D.rは次第に小さな歌声となって去っていきました。
~つづく