当然振り回される人がいる!
・・・で終わりました前回の『地獄の黙示録』の悲惨な現場 ①

*今回の扉絵はちょっとアップにしてみました
その昔、学校でジャイアントスイングが流行
↑
またまたあまり関係無い話から入ります

*イメージ画像になります
当然、自分も振り回す方、振り回される方と経験し
ある日、「スゴイ技を閃いたゼー!」と言い放ち
友人に稀代の大技「ジャイアント電気アンマスイング」を決行!
*技の名前で大体お分かり頂けると思います
結果、大失敗に終わり
その友人は股間の痛みで数分間立てなかったと言う・・・
*ハァハァ言ってましたー (●´ω`●)ゞ イタソー
この技は、その後あまりの難易度と攻撃力により禁じ手となりました
そんな感じで今度こそホントに前回の続きになります
振り回す側と、
振り回される側、
振り回される側の人間とは・・・
マーティン・シーン

*チャーリー・シーンの実父
彼が所属している『アクターズ・スタジオ』出身の俳優は
*スティーブ・マックイーン ロバート・デ・ニーロ他
皆その役柄になりきるように教育されているんですね
そして、彼がなるのは「暗殺者」
最初のサイゴンのシーン
本来飲めない酒を飲みまくり最初のシーンで泥酔して
ガラスを割り、出血しながら泣き喚く

*ホントに大出血
ここでコッポラが罵倒して撮影する
言葉もしどろもどろなら、「F○CK!」を連呼するマーティン
マーティン・シーン完全にぶっ飛ぶ始末

コッポラ
「あの場面は人間の内面に潜む悪を描きたかった
マーティンの人格の中の暗黒面を引き出し、
彼が暗殺を行える男であることを示したかった」

*非常に叙情的ではありますが・・・
サム・ボトムズ
「彼はいつもの自分をとことん押し殺して、
自分の中に暗殺者を求めた・・・
ウイラードを演じたことが、あの発作を招いたんだ」
何とこの撮影後、
しばらくしてマーティン・シーンは激しい心臓発作に襲われて入院

*現場の司祭があの世への臨終の儀式をしたという
以下はコッポラがプロデューサーと交わす会話

「マーティンが心臓発作を起こした?一体誰がそんなことを
撮影を止めさせる様な噂話を流すんじゃあない!
30分でハリウッド中に知れ渡っちまう!
大丈夫だと医者も言ってる!
くだらんゴシップは止めろ! ゴシップだ!
ユナイトが聞きつけたら僕はおしまいだ
映画を撮り終えてないのに・・・
マーティンが死んでも僕がそう宣言するまでは口にするな!判ったかっ!
僕は怖い。死ぬほど怖い・・・
今、生まれて始めて恐怖を感じている」
正直コッポラの方がよっぽど怖い・・・
受難はこれだけに収まらない
サム・ボトムズが本物のドラッグを服用させられ
ハッパ、麻薬(S)、LSDとジャンキー並みになっていく

*こんな演技見せられたら、誰だって正気を疑います・・・
それは出演者のみならず、薬物はコッポラも支持していたので
スタッフ達も嬉々として服用していたとか
下のコメントはサム・ボトムズ本人
*実に深刻な表情で話してます

心中お察し致します
↑
ひとごと
そうかと思えば1週間何も食べさせていないタイガーの前で
演技させられるフレデリック・フォレスト

コッポラから「自らタイガーに近づけ」と指示を受け
危うく襲われそうになったと言う
*リアリティ追求の為、タイガーに手綱も付いていなかった
タイガーの調教師もキズだらけだったという・・・
ここで更に現場を引っ掻き回す男が参上
その男「デニス・ホッパー」
∑(゚Д゚) キター!

*このコメントで爆笑しました
アジアのジャングルの奥地でハッパ、麻薬、LSDやり放題
あっという間に頭のオカシイ1人のジャンキーが出来上がる
当然、セリフなんていうものは理解出来ない

それどころかクスリのせいで
アッパーになったりダウナーになったり流石のコッポラもお手上げ状態
*感情の起伏が激しかったらしい
更にここでハリウッド最大の問題児
マーロン・ブランドの入場です!

*プライド風に
そもそもジョセフ・コンラッドの「闇の奥」
これに登場するカーツはガリガリに痩せた廃人

しかし・・・
目の前にいるのは血色の良い太ったオッサンだった

*しかも女好きなんですよねー この方
さすがに驚いたコッポラだが すぐに脚本を改変
マンゴーを食べまくって周りに女をはべらせたオッサンにしようと企てる

*何なんですか、この行き当たりばったり感は・・・
しかし、これに気を悪くしたブランドが完全拒否
途方にくれるコッポラに更なる悲劇
仕方なくブランドをおだてつつ話をして
撮影に望もうとするコッポラ

*ブランドも心得たもので話し合いを長引かせる(出演料高騰)
しかし、話をしているうちに原作の「闇の奥」を
ブランドが読んでいない事が発覚!
目の前が真っ暗になり失意のズンドコになるコッポラ
苦肉の策でホッパーをブランドにぶつけて画像を撮ろうとするものの
もはや立派な1人前のジャンキーに成長したホッパー
体からする異臭(薬物のせいだとも言われる)も手伝って競演を拒否するブランドだった
実際現場でかなり険悪だったらしい

*でも何だか幸せそう
(´Д`;) ソリャシアワセデショー
これ以上の話し合いは無駄だと察したコッポラ
残された期間ブランドとマーティン・シーンの即興劇を撮り続ける
それより他に方法がなかった。
撮れるだけ撮って後で使えそうなものだけ編集する
これは完全主義者のコッポラにとって地獄の苦しみだったことだろう
今までのツケが一気に回ってきたのか
恐れおののくコッポラ・・・
「自分の会社(ゾエトロープ社)が借金のかたに抑えられてしまうかも」
「このままでは今まで築いてきた映画界の信用と政権を失ってしまう」
「僕が苦しんでいても誰も手を差し伸べてはくれないのか・・・」


やがてコッポラは現場で倒れてしまう
エレノア・コッポラ
「夫は撮影中に意識を失って倒れました
暗いトンネルを通って行く自分が見えた
現実から遊離し死に近づいて行くのを感じたと・・・
たぶん正気と狂気の境にまで行ったのでしょう。
この映画はそんな映画でした。発狂の危険を犯し、
人間の行き着く先の極限を見極め夫は戻って来たのです」

*ホントに倒れ夫人に支えられるコッポラ
映画は最後「闇の奥」と同様のラストを迎える
カーツの最後の呟き

「Horror.....Horror.....」
この言葉で映画を締めくくっている
それは破産の恐怖、失脚の恐怖を超え、
発狂、死の恐怖を感じたコッポラ自身の呟きであったのだろう
狂気、そして地獄の淵を覗いたコッポラ・・・
その甲斐あってか「地獄の黙示録」は世界中で大ヒットを記録
製作費を大きく上回る大収益を上げた。
気をよくしたコッポラは続けて
『ワン・フロム・ザ・ハート』を作り上げる

当時コッポラの作品でも珍しくSFXを使用した作品で
巨大なセットでSFXの特殊効果も撮影可能 全編スタジオ撮影に望んだ
*正直、コッポラの映画はあの実写の映像美が
芸術感を押し上げしていると思うのだけれど・・・
しかし、この作品が興行的に大失敗!
何とコッポラのゾエトロープ社は倒産、コッポラ本人も破産の憂き目に合う
コッポラ
「すべてが民主化されている現代では
独裁者たり得る職業は、たぶん映画監督だけだ。
加えて遠いアジアでの海外ロケ。
自分の金で作る映画。
『ゴッドファーザー』がもたらした名声。
何不自由ない暮らし。
いつの間にか私自身がカーツになっていたんだ」

勢いのあったコッポラは自分を客観的に見つめたせいで
追求心が、、、ポジティブな挑戦心が無くなってしまったのか
『ワン・フロム・ザ・ハート』は
『地獄の黙示録』とはうって変わってロケを極力少なくしたと言う
*ほぼ室内ロケ
そのせいで失敗したとは言わないが、、、
自分を客観的に見れるようになったコッポラ
人間的に成長したにも関わらず
興行的には失敗してしてしまう・・・
運命と言うのは かくも皮肉なものだと感じざるを得ない
【あとがき】
今回見た完全版は最後の「カーツの王国を爆撃するシーン」がカット
コッポラ曰く
「だってあの場所には子供もいるんだ
道徳的観念からも、そんなことが出来る訳が無い」

確かに全ての負の螺旋を断ち切る事が出来る作中のウイラード
彼であるが故の決断だとは思えます
映画の筋書きからも論理感から言っても間違ってはいないんですが
けれど・・・
多くは言わないですが、
これはアメリカに本土決戦を挑まれた『日本に生まれた自分』にとっては歯がゆい思い
歴史や伝え聞く限り戦争とは狂気・恐怖の世界であり
最後のあのシーンこそが『地獄』だと思えるんですよねぇ
(●´ω`●)ゞ マジメニオワッテ ゴメンナサイ-
あっ、ちなみに現在のコッポラですが
ワインビジネスで大成功を収めているそうです


(。`Д´。) ウラヤマ ムカツクー