去年の11月、日本から帰って来た時
スーツケースの中には他の日本食といっしょに漬物も入っていた
父が持たせてくれたナスの浅漬けやお寿司用のガリ
母の手作りの梅干や紫蘇漬け、たくあんなど・・・
漬物命の私
本当はもっと持って来たかったのはやまやまだが
スーツケースに漬物だけ詰めてくるわけにもいかない
日本に居れば食べられるアンナものもコンナものも諦めるしかなかった
それでもこれでしばらくは冷蔵庫を開けさえすれば
おいしい漬物が食べられるのだ
あ~、うれしい
そんなわけで日本から帰ってきた翌日
子供達を学校に送り出した後
冷蔵庫からたくあんを引っ張り出してきて
1人で楽しく朝食を食べていた
その時にふと思い出した事があるのだ
ちょっと前にこっちで親しくしている友人が日本に里帰りする事になった
彼女は京都出身
京都の漬物をお土産に持ってくるからと言ってくれた
1ヶ月ほど日本に居て彼女のお母さんといっしょにこちらに帰ってきたのだが
ドイツに着いてからしばらくお母さんが具合を悪くして
寝込んでしまったと後から聞いた
せっかくドイツまで来られたのにお気の毒な話だ
震災の後でもあるし気疲れとか色々あったのかもしれない
3ヶ月の滞在予定を半分にして日本に帰られたそうだ
そんなこんなで、1時間ほど離れた隣街に住むその友人とは
電話で話しただけで未だ会えていない
友人も大変だっただろうし
私へのお土産の京都の漬物の事なんかはどうでもいいのだけれど
その事を思い出して京都の漬物ってどういうものなんだろうと思いを巡らせた
確か千枚漬けとかじゃなかったか
京都独特の漬け方があるんじゃないのか
食べてみたい 京都の漬物!
いつかきっと京都の漬物専門店に行こうとあれこれ考えながら
朝食を食べ終わった
そして夜になり 仕事帰りに元夫がうちにやって来た
日本から帰ってきた子供達と会いたいからだ
私も日本から持ってきたお土産を渡さないといけない
「これ、君へのプレゼント」
玄関を入ってくるなり私にきれいに包装された箱を手渡してくれる
「あら、ありがとう」
尻尾を振って受け取る私
なんでも日本人の友人から貰ったものらしい
話をしている元夫と子供達をリビングに残し
キッチンに行き さっそく包みを開ける
箱の中に入っていたものは・・・
『京都の漬物 特選 詰め合わせ』 だった!
アーメン