哀愁猫草や空気を掻き分け 秋の虫たちが涼を告げる 人間のまとうものも厚さを増して いつになく曖昧をさを好む 陽だまりに転がる生き物 人懐っこいフリしちゃう奴 羨みつつ蹴飛ばしたくなって まんまるい瞳をするのだから 妙に懐かしくなる するとどうしたわけか君が 哀しげな顔して僕を呼ぶんだ この肌に冷たい季節のせいか 窓辺のあいつもたそがれ日和