ゆうべ見た映画

ゆうべ見た映画

懐かしい映画のブログです。
ときどき、「懐かしの銀幕スター」「読書」など
そして「ちょっと休憩」など 入れてます。

 

 

監督・小津安二郎

原作・エルンスト・シュワルツ

   「二十六時間」より

脚色・野田恒吾 

 

93年前のサイレント映画。

 

ヒューマン・ドラマであり 悲劇であり 
サスペンスでも あるようだけど 
まあ、つまり、はっきり言って
なんだか変テコな映画だ。

 

 

      ふんわりウイング

 

大学生の良一は

姉のちか子と 二人で暮らしている。

 

良一 (江川宇礼雄) ちか子 (岡田嘉子)

 

ちか子は 会社勤務のタイピストだが

勤務が終わると

ある大学教授の翻訳の手伝いをしており

帰宅はいつも遅い時間だった。

 

良一には 

今、付き合っている女性・春江がいるが

彼女は警察官をしている兄との

二人暮らしである。

 

春江 (田中絹代)

 

このシーン

ふたりが観ている活動は

エルンスト・ルヴィッチ監督の

オムニバス映画『100万円貰ったら』

 

ある日 春江は その警察官の兄から

ちか子が退勤後に 

翻訳の仕事をしているのは嘘で

 

実は酒場で

売春をしているという噂を聞かされる。

 

春江は心配して それを良一に話すが

良一は怒って噂を否定し、ふたりは喧嘩になった。

 

しかし良一は

噂を否定したものの 気になり

思いきって ちか子を問い詰めると 

噂は事実だと ちか子は告白した。

 

酒場のちか子。

 

ちか子は

それはあなたには 関係ないことだから

あなたは卒業を目指して勉強しなさいと言う。

 

「姉さんを信じていたのに!」

 

 

良一はちか子を 平手打ちして

家を飛び出し 

その夜は帰って来なかった。

 

翌日、ちか子は

良一の行方を尋ねに 春江のところに行くが

そこへ 春江の兄から 

良一が自殺したという 連絡が入る。

 

泣き崩れる春江の傍らで ちか子は

「このくらいのことで死ぬなんて・・

 良ちゃんの弱虫」

とつぶやく。

 

シーン変わって ちか子のアパート。

春江も来ていて

傍らには 良一の遺体が横たわっているが

 

この遺体も

お顔に白い布もかかってなく

普通の布団に 

むこう向きに 寝ている人のようでヘンだ。

 

そこに 新聞記者が3人 ずかずか入って来て

「原因は?」

「あなたはこの方の何に当たる方ですか」と

春江に訊いたりしたあげく

 

「これは特ダネにはならないな」

と言って帰って行く。

 

 

新聞記者の一人 (笠智衆)

 

しかし、良一は

なんて幼稚な大学生だろう。

 

「はい、月謝とお小遣い」

 

「姉さん、ありがとう」

「姉さん、僕今夜、春江さんと逢うよ」

「姉さん、新しい靴下無い?」

 

こんな のんきな暮らしをしていながら

その生活費が どこから出ているのか

深く 考えたこともなく

 

真実を知ると

一方的に姉を責め 暴力をふるい

 

死ぬほどか? という理由で

あっさり自殺をしてしまう。

 

そして映画も 実に唐突な終わり方をする。

 

 

      ふんわりウイング

 

小津さんが 9日間で撮った作品だそうだ。

 

オープニング字幕でも

こう、表示されてますが ↓

 

 

この作家も作品も架空で

実際は小津さんの

オリジナルストーリーだそうだ。

 

小津さんはときどき

こういう悪戯をやったそうです。

 

が、しかし、なんかね、

やっぱり 小津さんなんだなあ

この映画も

不思議な魅力があるんですよ。

 

既に、この頃も

ヤカンや お釜や 裸電球、時計などが

ちょこちょこ映る。

 

 

 

特に印象深いのは

春江が 呼び出し電話に出る場面の

壁一面の掛け時計。

 

 

時計屋さんの電話なのかな・・

何の説明も無いから面白い。

 

そして

私は配信で観たのですけれど

 

サイレントですから 台詞が文字で出ますが

その台詞に

風吹ジュンさんと 佐野史郎さんが声を当てています。

 

ちょっと棒読みっぽい台詞で
サイレントの雰囲気を壊さない・・
こういうのも 面白いですね。

 

 

おしまい