私:先生、私の予後ってどれくらいなんでしょう?
主治医:標準的に、再発してから2年、って言われていますね。
私:2年、ですか・・・
私の主治医、
本当にしれっとさらっと
余命を伝えてくれましたよ。
こういう会話って、
少し重い雰囲気の中で
言いにくい感じで
間を置いて
なんて場面を想像していたのですが、
ドラマの影響を受け過ぎでしたね。
実際は、とてもシンプル。
このとき、
私は非常にショックを受けました。
余命が2年ということではなく、
ひとりの人間の
残された期間を伝えるのに
医師がまったく戸惑いを
見せなかったこと
に驚いたのです。
職業的に当然のことなのかもしれません。
でも、人ひとりの人生のことですよ?
そんなふつうに話しちゃうんだ
医師にとっては多くの患者のうち
ひとりがいなくなるだけ、
まるでファイルが1つDeleteされて
なくなるみたいに。
と思わずにはいられず、
なぜかその方がショックで。
手術して、
リハビリ受けて、
薬飲んで、
また手術して、
薬の副作用にも耐えて、
ストーマにもなって、
それなのに、あと2年?
さらっと
しれっと
あと2年?
そんなん
治療する意味、ある?
果たして、
その2年が短いのか長いのか、
そもそも、いつからカウントするんだ?
いやそんなことよりも、
これから私は何をすればいいの?
なんだか全てがわからなくなり・・・
置き去りにされた心は、
ふわふわと今も彷徨っています。