魔風恋風~僕と魔女~(第1話)
「あら豊、遅かったわね。」
僕の母だ。
「ああ、本屋に寄ってたんだ。」
そう、僕は今日発売の”本当にあった怖い話5”を買うのを楽しみにしていた。
「明日みんなに見せてやろっ♪」
僕は自分の部屋がある2階へ駆け上がる。
「あんまり変な事やってないで勉強しなさい!」
母は霊の存在自体信じていない。
僕は制服も着替えずにPCに向かっていた。
ブログ仲間にもきちんと報告。
「えーっと・・・・、ほんこわ5ゲットしました(^O^)/・・・・っと。」
カチカチとキーを打つ音だけがする。
バコッッ!!
いきなりおしいれが物音をたてた。
僕はびっくりしておしいれをガン見する。
(もしやこれは怪奇現象か!?ついにキター!僕にも霊感があるってことだ!)
驚きと同時に感動する。
おしいれのふすまが数cm勝手に開いた。
中は真っ暗で何がいるのかわからない。
そっとおしいれに近づく。
僕のおしいれは昔父と一緒に布団を入れていたが父が沖縄に転勤になってからは
上の段は何も入っていない。
僕は上の段に何かがいることを察知した。
そーっと中をのぞく。
(うわっっ!目があった!)
おしいれのふすまを一気に開けた。
「うわぁっっっ!!」
中にはトンガリ帽子に紫のヒラヒラドレスを着た女の子が狭そうにしゃがんでいた。
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「怪奇現象・・・・・・?」
「は?」
僕は彼女のほっぺを触った。
バシッ!
いきなり彼女は僕の手を叩き払った。
「いってぇな!何すんだよ!」
「何すんだよはこっちのセリフなんだけど
女の子に勝手に触るなんて無礼よ!」
「お前も人ん家勝手に入って無礼じゃねぇか!」
「あたしだって何でここにいんのか知りたいわよ!」
「じゃあさっさと帰れよ!」
「どうやって?」
「どうやって・・・・・・?お前馬鹿にしてる?」
「だってココあたしの世界じゃないもん。」
「じゃあとっくに他界してんだろ。成仏してやっから大人しくしてろ。」
「勝手に殺すな
あたしは魔界に住んでるの!」
「魔界ね。はい、じゃあお母さんどこ?おまわりさんが警察に連れてってあげる。」
「迷子じゃない!」
「うるっせーな。話聞いてやっから静かにしろ。」
すると彼女はスルリとおしいれから出て床に座った。
(おっ?意外と言う事聞いた。)
「で?その魔界っての、どこ?」
「どこって言われても・・・・・」
「冗談だよ。でも僕霊以外見たことないからさ。」
「あたし帰るとこないの。だからお願いっ!泊めて」
「えー!もうそういう話になんの!?てか潤目で言うのやめて。可愛くねぇし。」
「ちっ。」
「ちっって何だよ!普通にお願いしろよ!」
「ああ・・神様仏様閻魔様。どうか、どうか私に宿を授け下さい・・・・」
「閻魔様!?今閻魔様言った!?てか僕は神じゃない!」
「お願い。」
「しょうがねぇ。母さんに聞いてくっから待ってろ。」
僕は1階へと降りていった。
魔風恋風~僕と魔女~(プロローグ)
僕は普通の中学生、普通の中学3年生なんだ。
変わっているといったら所属部活が霊脳研究ということだけだ。
特別に頭がいいわけではない。
特別に運動が出来るわけでもない。
ただ特別に霊感ヲタクなのだ。
そんなある日の夕方・・・・・
僕の人生を変えたアイツが来たんだ。

