全体を通して、レース編みのような、薄い器のような繊細な、丁寧な美しい文体の印象。

千早さんのエッセイ、ほかの小説も何冊か読んでいますが、香水がお好きなのかしら。

ご自身も離婚、結婚されたとのことで、どうしても「まりえ」を千早さんに重ね合わせて読んでしまいました。作者としては望まないのでしょうが。

 

私は、由井くんとうまくいってほしいなあと思いました。

由井くんの年齢はかなり下ですが、料理や香水という共通の趣味もあり、内面でお互い惹かれ合っている感じが素敵だなあと。

しかも丁寧に段階を経て付き合い始めていて。。

今まで、年下って弟のようにしか思えない、好意を持ってはいけないという思いがあったというようなくだりがありますが私もまさにそんな思いでいました。

でも、年下っていいですよね。笑

まりえは一度結婚、離婚もしているし、最後は「結婚」という形にとらわれず、好きな相手と楽しく過ごせればよいのではないかと思いました。

 

森崎は謎ですね・・・。恋愛って誰としたかったのでしょう?

証拠は見つからなかったけどお相手がいたのでしょうか。

いちいち連絡寄越すあたり、まりえにまったく魅力がないというわけでもなさそうですし。

 

マキさんのような飲み友達、わたしにもいたらなぁ。

コロナ禍も終わりましたし、友達活動してみようかな。

マキさんのいう、「誰との関係もはじめてのものなんだから、はじめてを楽しみなさい、既存のものにあてはめなくていい」

は、大切にしたい言葉になりそうです。

この人は友達、恋人、親友…と線引きしなくてもよく、

濃淡があったり、名前のない関係とかも、あっていいのですよね。

 

結婚相談所に関連して登場した香織さんの、母の介護のための同居という条件がネックで厳しい、というあのあたりの描写は陳腐に感じました。あるあるなんだけど、なんかこの物語では読みたくなかったかも。

男女差別についての描写では避けて通れなかったのかなぁ。

 

本田さんは・・・

本田さんとうまくいってしまうのかなぁとハラハラしていました。w

本田さんの結婚したい理由と私の結婚したい理由、共通しています。

ほかの世代からすると幸せにみられなそうっていうところ!

 

 

 

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さいきん私が、元スナック現喫茶店の60代?のママに言われてはっとしたこと。

35歳で自由に一人で好きにやっていることで、大人になりきれていないと思っていると話したら、

「35歳で好きにやっていること自体恵まれているのよ。凄いことよ。」って言ってもらえて。

確かに。別に悪くないですよね。自分で稼いで自立して食べていけているのだから・・・。

ひと昔前なら「生存のための結婚」だったことを思えば、それをしないで済んでいるのだから。。。

あとは親の面倒、誰かの面倒を見ずに済んでいるという点でも、自由で、恵まれているのかもしれないですね。

ま、ママのことですし客が望むことをいうのが仕事なところもありますが!

でも、あの年代でこの言葉が出てくるのは、苦労人なのかなぁって思ったり。。。

(ママは、ものすごく美人で、60代のグダグダ泣いている女性にはびしっと説教してた笑)

 

 

ときどき、独身(笑)とかっていう表現見かけたり、

もういい年なんだし!とか言われたり

既婚の方からすると、下に見られているなぁと感じる場面がありますが

私も少し前はそう思っていたけれど・・・

傷つくというより、さいきんは残念な方だなぁって思うようになりました。

こどもはいないけど、文化にお金落とす層としてがんばって働く!にシフトチェンジかなあ。笑

 

確かに他者と共同生活ができていない点で変わった人が多いことは否めないけれど

既婚者だってとんでもない人たくさんいますからねー!笑

 

ま、こういう強情なところ?が、やっぱりねえ~とかって思われているのかもしれませんが~笑

 

 

でも、誰かと人生を歩むのはなんだかんだ楽しそうではありますよね!

(といったら、いや、別に楽しくはない。とママはバッサリでした。w)

 

 

 

 

 

由井くんとの続きが読みたいです♡

 

 

 

このエッセイも好き

 

 

これも丁寧で繊細な美しい文章・・・

 

 

この小説も面白い