久し振りにとんでもない頭痛で目が覚めた。

慢性的な片頭痛は相変わらずだけど、最近は酷いのはなかった。
なんだか嫌な朝だな…。


とはいえ薬が残りわずかだったので、痛みが和らぐのを待って、病院へ。

「痩せたよね?」
『え? 全然…』
「いや、櫻井くんね」

念のため、これは主治医と患者の会話だ。
そして前月も同じ会話が繰り広げられた。だからてっきり今度こそ自分のことだと思ったのに。
あちらは多くの患者を診ているわけで、それぞれの会話の内容までは覚えていないのだろう。


「実はね、個人情報だから誰とは言えないんだけど」

センセが口火を切った話。
あきば系の在阪グループのメンバーを数人診ているんだそう。その中でもかなりの人気を誇っていたメンバー… そちらには疎いわたしですらピンときたわけだから、界隈では相当な人気を誇っているのだと思う。

「ある日も酷い頭痛でお母さんに付き添われてきて、ゲーゲーやってるわけ。で、なんとか頭痛を抑えるべく点滴してね。」

頭痛持ちならお解りかもだが、あまりに頭痛が酷いと吐き気を催し、嘔吐してしまうこともある。

「それがさ、その翌日だよ? (某ローカル番組)の生放送に出て、元気いっぱいなの。いやー、本当に頭が下がるよ、プロ根性ってやつだよね。」


「きっと… 僕らには想像できない、大変なこともいっぱいあるんだろうね。それでも応援してくれるひとがいて、なんとか均衡保ってるんだろうな。」


「だからね、体型維持のために努力してるんなら良いんだけど、具合が悪いとか、そういうのじゃなければ良いね、櫻井くん。」


頭痛が治まりきらないというのに、なんのこっちゃと思いつつ。

「応援してあげなよ!」

なんて見送られ、ますますなんのこっちゃで診察室をあとにしたのだった。


具合なんて悪くないですよ。
それどころか、アイドルとしてやる気に満ち足りていますよ。
今年は20周年、大きなツアーも継続中で、順風満帆なんですから。






その日の午後のことだった。

にわかに信じ難いニュースが飛び込んできたのは。





わたしは櫻井翔というひとがすきで、
彼を介して嵐と出逢った。

櫻井翔がすきだけど、
それ以上に、嵐の櫻井翔がすきだ。

そして彼をすきになって程なくして、嵐をすきになった。


嵐が消えて無くなるのか?

嵐の櫻井翔は見られなくなるのか?

なによりもすきな
歌って踊る姿
嵐のうた、彼が綴る嵐のラップに
触れられなくなるのか?

彼らへの想いは、行き場を失うしかないんだろうか…




それから、なにをして過ごしていたんだろう。
何人かとLINEでやり取りをし、直接話もした。

食事はしたけど味を感じず、それどころか何を食べたのかもあまり覚えてない。




彼らの会見をみた。

そこには、あまりに彼ららしい彼らがいて、
櫻井翔は、あまりに櫻井翔らしいことを言っていて、

いつもの嵐だった。




あのひとたちのファンへの想い、誠意、
そして嵐への想い、
それは十二分に受け取り、感じました。

5人で嵐
この5人だから嵐
それ以外では成立しないことも知っていました。

終わりがないことなんてない
40年以上生きてたら、それも知ってるよ。


ここに至るまで、
大変な苦悩や葛藤と戦っていたでしょうに、
微塵も感じさせず、いつだって幸せをくれた。
ほんとうに、ありがとう。 

センセ、プロ意識って、凄いよね。

そんな大切な話し合いがなされているだなんて
夢にも思わず、緩みきったアホづらさげて
京セラドームへ行っていたのは、わたしです。




会見で変わらぬ彼らを見て、彼らの言葉を聞いて、少しココロが落ち着いた気はする。

それでも割り切れない感情と、失うものの大きさを抱えながら、いまはまだない 実感 と引き換えに、折り合いをつけていくのだろうか。


いまのところ、まったくのまっしろで、
自分がどうなっていくのか、想像できない。

そして、嵐の居ない世界は、どんな色なんだろう。


嵐という存在について、
日々の生活に彩りをくれた、なんてよく言うけど
(たぶんわたしも言ったことあるけど)
よく考えてみると 彩り どころではない。

生活の一部で、人生の一部。




意気地なしのわたしは、
いまだ智担さんに声すら掛けられずにいます。

一般の方々が、興味本位で我々に聞いてくるの、わからないんだろうと思うし、わかってたまるかとも思う。

もしかしたら同じように、わたしにはわからないこともあるんじゃないか、と思って。




わからないことだらけ、手探りのまま、
残りの5×20のエントリーが始まった。

とりあえず いま を考えなくては。
いま を大切にしなくては。