今の時期は、入学式の浮き立つような雰囲気が、SNSであふれている。


 楽しさ、ワクワク感、笑顔がまぶしい。


 子が浪人したためそれから目を背けて、それまでの人間関係からフェードアウトした数年前、淡々と日々を過ごしていた。

 仕事のとき、そうした話題が出るたび、うちは浪人したので、と笑って場が暗くならないようにしていた。


 子に対して失礼だったと今は思う。当時はこちらも辛くて触れられたくなかったので、子の頑張りを認めて、外で言うことはできなかった。辛かったのは子本人なのに、家の外では自分のことで精一杯だった。心の余裕がなかった。


 家の中では、掃除や洗濯など家の中を整えて、食事を用意して、と環境作りに励んでいたけど、外に出るとそういう状況だった。


 仕事に出ると気分転換になると思ったけど、休憩時間はそうでもなかった。家にずっといても煮詰まるだけなので、結果的には仕事に集中している時は子の受験のことを忘れられたしお金の余裕ができたしで仕事に出ていてよかったのだが、当時は暇な時間ができると悶々としていた。


 子の大学受験は、現役時だけでなく浪人時も親にはダメージを与える。浪人が始まった親の方々、お疲れ様です。子を信じて淡々と生活を整えて道が拓けますように!