旦那はいつも、自分が仕事で疲れているのに、私にマッサージをしてくれようとする。
しかしマッサージのやり過ぎで、旦那の手足がヤバいことになってしまった。
最初は手をグーにした状態で肩をグリグリしてくれていたのだが、皮が剥けて来たり色も赤黒くなって痛むようになったので、それからは私がうつ伏せになり足で背中や腰をグリグリやってくれていた。
すると今度は股関節が痛み出してしまい、仕事にも差し支えるので、最近私はマッサージを遠慮している。
すると旦那は深読みし過ぎる性格なので、他に何か理由があるのか?と思ってしまったらしく、昨日の夜に軽く言い合いになった。
すると普段からよく口にするのだが
「プニに愛想つかされて捨てられるかもしれん」と言う。
私は私で、年老いたり病気が悪化したりで、自分の体が動けなくなり施設や病院に入ることになったら、旦那と離れ離れになることを考えると話した。
看護師をしていた頃、最後に所属していたのは
老年内科と言えるほど高齢者が多い障害者施設病棟だ。
疾病などで寝たきりや肢体不自由となった人、重度の障害や意識障害などの後遺症がある人、筋ジストロフィーやパーキンソン病などの神経難病を患っている人や、人工透析が必要な人など様々だったが、老年看護のような感じで入院したまま亡くなる患者さんが殆どだった。
管からしか栄養が摂れず、話すことも体を動かすこともできない、天井を見つめるだけの生き地獄のような毎日。
勝手に管を外したり暴力を振るうようなら手足を拘束される。
1人のおばあさんがカンカンカンとベッドの柵に金具を当てて、よく私のことを呼んだ。
意識のある患者さんの方が少なかったこともあり、私はそのおばあさんによく話しかけていたのだ。
そして片方だけ動く手を伸ばし、声が出なくても首を左右に振りながら大声で泣き叫ぶことをされた。
私はその手を両手で握り、一緒に泣いてあげることしかできなかった。
「プニがおらんと生きてる意味ない!」
「俺が先に死にたいわ!」
「そんなんやったら捨てられた方がましや!」
そう言いながら泣きじゃくった旦那。
これほど私のことを心から愛してくれた男が過去にいただろうか·····
もうその時点で私も涙が溢れグズグズとなっていた。
そして病院で出会ったおばあさんのように
たとえ生き地獄であっても
旦那より先には死ねない!
旦那を残して
悲しい思いをさせたくない!
だから少しでも
長生きしなければ!
と心に誓った。
私が死んだ後に、餓死などさせるのは嫌なので、年老いてそうなった時には、大好きな動物を飼うこともやめなければいけないだろう。
インスタやTikTokなどでフォローしているカップルがいるのだが、その2人のことが羨ましいと旦那に話した。
何故かと言うと、2人ともまだまだ若いので、これから先50年60年も一緒にいられるから。
「俺ももっと早くプニと会いたかったと思ってたよ」
「プニ、待ってるから·····先に逝ったとしても待ってるし見守ってるから、コーちゃんも待っててくれる?
また子どもたちもみんな一緒に暮らしたい」
そう言うと旦那は、私が待っていてくれないだろうと思ったようだったので
「大丈夫!だって生まれる前から一緒やったから」
そう言って泣きながら2人で抱き合った。
前世も夫婦だった例としての内容が、ほぼ私たちに当てはまるので、夫婦ではなく親子なり友達だったかもしれないが、何かしらの関係にあったと信じているのだ。
旦那が犬や猫たちと戯れ、それを横で見ながら笑っている今この時が、生まれてから一番幸せな瞬間だと思う。
「なあコーちゃん、·····幸せやな♡」
(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
「コーちゃんがプニの夢を叶えて行ってくれるから、ほんま感謝してるねん」
「ありがとう!」
旦那は旦那で私に対して
「いつも美味しいご飯を
作ってくれてありがとう」とか
「いつも家のことありがとう」とか
「いつも子どもたちの世話ありがとう」
と言って労ってくれる。
これからも私たちは、喧嘩して泣きじゃくっても、その日の内に仲直りしてしまうんだろう。
向日葵のように
大きくて真っ直ぐな愛を
私に与えてくれる人。
まるで太陽のように
明るく輝き
暖かく優しい光で
私を照らしてくれる。
私はこれから先も
大切な愛の種を植えて
笑顔の花を咲かせたい。
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