こんにちは。実行委員の杉本です。
中高生は受験、大学生は期末試験。何かと忙しい時期ですね
つづいての分科会紹介は、私とAECのIkunoが担当する、
国際社会とナショナルアイデンティティ~対立から共存へ~
です。
ナショナルアイデンティティ分科会とは
今、なぜナショナルアイデンティティか?
①対立の原因として
現代においても、世界の各地で、民族間・宗教間の葛藤から起こる、差別、経済格差、教育格差、あるいはテロや紛争・内戦に発展している例など、地域のレベルから国際的なレベルまで様々な対立が起こっています。これらの問題の発端として、アイデンティティの違い、に注目しようという訳です。
果たして、アイデンティティの違いは、他者の排斥や抑圧しか生まないのでしょうか?そもそも、集団としてのアイデンティティとは、どのようにして形作られるのでしょうか?まずは、これらの問いにアプローチしていきます。
②共存のヒントとして
その一方で、急速に国際化が進む中で、「多文化共生/共存」が求められるようになりました。カナダやオーストラリアなどは実際に多文化主義政策を採っています。しかしながら、多民族、多文化共生とは一体どのような状態をさし、それはどのようにして可能になるのでしょうか?たとえば、どんな政策が重要で、どんな教育が必要なのでしょうか?そのとき、私達のアイデンティティにはどのように維持される/変化するのでしょうか?ナショナルアイデンティティの未来を考え、それによってよりよい社会の在り方を考えます。
ナショナルアイデンティティ分科会の内容(仮)
今度は、もっと具体的に議論の内容について考えてみましょう。
ちなみに、(仮)なのは、実際の議論の内容や活動は、参加者自身の頭と手で作っていってもらうからです。以下は、参考までに、この分科会で扱いうるテーマや、キーワードを並べてみました。
・ナショナルアイデンティティとは
---国家、民族、宗教、文化etc...と、「私達」
・ナショナリズム、パトリオティズムとは
・国家と個人の関係
---誰が「国民」か
---教育と国民
---移民と国家
・「日本人」とは誰か
---アイヌ、琉球、在日外国人、在外日本人、日系人etc...の過去、現在、将来
---歴史認識問題
---戦前の日本、戦後の日本
特にアメリカに行ってから・・・
・マイノリティの歴史
---黒人、ヒスパニック、アジア系アメリカ人、ネイティブアメリカン、etc...
・マイノリティの現状、マジョリティとの関係
---差別、貧困、教育格差、Affirmative Action etc...
*本会議中に訪れる4サイトはどこも、エスニックグループの構成、社会状況などそれぞれに異なります。各々の場所にあった活動や議論の展開を期待しています。
・「多文化共生/共存」とは
---どのような社会か
---可能か
---どのようにして/何が必要か(政策、教育、メディアetc...)
などなど。
とにかく幅広い領域、様々な地域の事例(日米に限りません)など、何でも議論の対象になり得ます。
様々な専門分野(文系理系不問)、幅広い問題意識、社会の在り方について多角的に考えようとする気概を歓迎します。
最後に
自分を自分たらしめるものについて、考えてみませんか。
他者と自分、社会と自分の関係について、考えてみませんか。
"ナショナルアイデンティティ"は、一見するとつかみづらいけれど、誰もに関わるテーマです。
JASCという、「人」の多様性に恵まれた場所で議論するからこそおもしろいことが、きっと出てくるはずです。
そして、
「ことなること」≒「異なること」を体感する。「個となること」を体現する。
を最も実践できる分科会だと思います!
長くなりましたが、以上です。御応募お待ちしておりますー!
2009.1.27
杉本友里