在香港日本総領事館と日本貿易振興機構(ジェトロ)香港は12日にセントラルのビルで、香港の経済界や香港政府、メディア界の関係者を対象に、東日本大震災の影響と福島第1原子力発電所の事故に関する最新情報の説明会を共同で開いた。隈丸優次(くままる・ゆうじ)駐香港総領事をはじめとする講演者は、大気中の放射性物質の水準や日本の食材、被災地を除く日本各地への旅行について、具体的なデータを示しつつその安全性を強調し、正しい現状理解を訴えた。

 説明会に出席した経済界や政府、メディア界の関係者は約150人。会場はほぼ満席となり、香港側の関心の高さを強く印象付ける会合となった。

 まずあいさつに立った隈丸総領事は、この日が四川大地震3周年であることに触れて犠牲者に哀悼の意を表明。正確かつ透明性の高い情報を発信して、東日本大震災と福島第1原発事故に対する海外の懸念を解消していくという日本政府の方針を説明し、総領事館として、香港政府と情報を共有し、香港メディアと意見交換を進めていると話した。その上で原発事故の影響は半径30キロメートルの範囲に限られていることを強調。多くの場所で放射性物質のレベルは基準値をはるかに下回っており、人々はごく普通の生活を送っていると説明した。

 続いてあいさつした香港・日本経済合同委員会の香港側議長を務める蔡冠深(ジョナサン・チョイ)氏(香港中華総商会会長)は、震災を受けて香港で広がった義援金集めをはじめとする各種日本支援の活動が、香港と日本の深い友好関係を物語っているとコメント。食品と旅行の安全が最大の関心事になっているとして、これらが1日も早く平常に戻ることを望んでいると話した。

 ■原発に落ち着き

 説明会は、◇福島第1原発の最新状況◇港湾・空港の放射線対策と日本産食品の安全性◇日本観光の最新状況――の3部構成。原発事故の説明を担当した日本原子力安全基盤機構(JNES)の佐藤達夫理事は、福島第1原発が地震と津波で被災し事故を起こしてから、現在に至るまでの概況を解説した。同理事は、◇原子炉の冷却◇放射性物質の拡散防止◇厳格なモニタリング◇食品、各種製品、原発内作業員の安全確保――が重要課題とした上で、同原発の各原子炉とも、水を安定して注入できるようになるなど、基本的に落ち着いてきたことを強調。大気中の放射性物質の量は、今は極めて低いレベルになっていることなどを説明し、香港側の懸念払拭(ふっしょく)に努めた。

 ■食品、総領事自ら説明

 港湾・空港・食品の部では、説明役を務めたのは隈丸総領事。関東地方の港湾・空港が、国際海事機関(IMO)や国際民間航空機関(ICAO)、国際航空運送協会(IATA)、世界保健機関(WHO)といった国際機関から放射性物質関連で安全性の確認を得ていること、国土交通省もモニタリングと安全情報の提供を行っていることを説明した。

 香港で日本観光旅行と並んで最も関心が高いのが日本産食材・日本製食品の安全性だ。隈丸総領事は日本で一時は5県に上っていた野菜の出荷停止が、今月10日時点では福島県産の一部野菜と茨城県の2都市産ホウレンソウのみになったことを説明。水産物も同時点で福島県産のコウナゴ(イカナゴの稚魚)を除き出荷停止がなくなったこと、肉や家禽(かきん)も今月10日現在、放射性物質の検出がなく出荷制限もないこと、香港政府の検査でも3月23日に一部の日本産野菜から検出された以外は、輸入された日本産食材・日本製食品からの基準値を超える放射性物質の検出はないことなどを強調した。現在、日本総領事館と香港政府の間で、国際食品規格の策定などを定めるコーデックス委員会の規格に基づく日本側の香港輸出食品向け安全証明書の発行について協議中という。

 ■JNTOは観光復活に意欲も

 食材・食品と並んで香港で関心が高い日本観光については、日本政府観光局(JNTO)香港事務所の田口一成所長が説明を行った。田口所長は、JNTOの公式サイトが香港で使われている繁体字(旧字体)の中国語で、交通機関情報など震災後の最新情報を詳細に公表しているほか、Q&A方式で、被災地以外への旅行は北海道など香港人に人気がある旅行先をはじめ安全であることなどを説明していることを紹介。既に日本ツアーを再開させた東瀛遊旅行社(EGLツアーズ)と縦横遊(パッケージツアーズ)の2社に続き、まだ日本行き旅行の自粛を続けている康泰旅行社などほかの大手5社による日本ツアー早期再開を強く期待していると述べた。

 田口所長は、JNTO香港事務所として香港人の日本観光復活に向けた事業提案を東京の本部に提出済みと話したほか、6月9~12日に湾仔の香港コンベンション&エキシビション・センター(HKCEC)で開催される国際観光展「インターナショナル・トラベル・エキスポ」に日本から出展予定であることを説明した。

 「香港は他地域より早く日本ツアーが復活した。広告も今まで(=震災前)と同じものに早く戻して頑張りたい」と田口所長は語り、「以前のように、富士五湖や北海道で広東語が飛び交うようにしたい」と、香港人による日本観光の本格的な復活に強い意欲をみせた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110513-00000002-nna-int

2011年5月6日、米華字メディア・多維新聞は、国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者を水葬した米原子力空母カールビンソンが、5月末に香港に寄航すると報じた。


記事によると、中国外交部は米国側からの寄航許可申請をすでに受け取っているとし、通常の手続きと主権の原則に則って批准を進めるとしている。これにより 香港がテロの目標になるとの懸念に対しては、香港特区政府の曾偉雄(アンディ・ツァン)警務処長が、ふさわしい安全確保措置をとると表明、過度に恐れる必 要はないと呼びかけた。

香港に寄航した米兵は湾仔(ワンチャイ)の酒場街で気晴らしをするのを習慣としていることから、同地区の関係者らは「商売に好影響」と期待しており、テロ の脅威に対する不安はないという。香港金山バーの経営者は、ビールを特に好む米兵の寄航が実現したなら、各バーはビールの仕入れを通常の2倍にすると予 測、売上も2割程度は上がると期待する。売上3~4割上昇を見込むバーもあるという。

香港警察当局は中国外交部からの通知はまだ受け取っていないとしているが、寄航が正式に決まれば、空母と船員7000人の安全確保に全力で当たると強調している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110509-00000008-rcdc-cn

国際テロ組織アルカーイダの指導者ウサマ・ビンラーディン容疑者が米国の特殊部隊に殺害されたことについて、中国外務省報道官は「国際テロ対策の重要な事件であり、積極的な進展だ」と評価しているが、中国国内のインターネットには、さまざまな反応があふれている。米国の軍事行動を支持する意見は少なく、同容疑者を英雄視するコメントや、米国とテロリストの両方を警戒しなければならないと強調する人もみられる。(北京、矢板明夫)

 香港系フェニックステレビ(鳳凰衛視)が運営するニュースサイトが2日から3日にかけて実施した世論調査では、約50万人の回答者のうち、ビンラーディン容疑者の殺害について「テロリストのボスが死んでうれしい」との反応を示した人は約19%だったのに対し、「反米闘士が亡くなって悲しい」との回答は約58%を占めた。結果は、一般市民と中国当局の認識の乖離(かいり)をはっきりと示す形となった。

 中国政府がこの件で米国を支持する背景には、国内に新疆ウイグル自治区の独立を求める反体制勢力を抱えているという事情がある。中国の警察当局は、対テロ戦との名目で、ビンラーディン容疑者と同じイスラム教徒である彼らをテロリストと決めつけて、厳しく弾圧している。

 しかし一方で、中国当局は自国民に対し、これまでの米国の世界戦略を覇権主義と長年宣伝してきた。このため、多くの中国人は米国による中東進出を「侵略」と認識しており、ビンラーディン容疑者が主導した対米テロは、「侵略者に対する反抗」と受け止められているようだ。同時に、中国自体も今日の国際社会において米国にいじめられているとの認識を持つ中国人が多いため、同容疑者を応援することにつながっているらしい。保守系サイト、毛沢東思想旗幟ネットなどでは最近、同容疑者の死去を弔う追悼文が多くアップされた。

 中国の大手検索サイト「百度」で「本拉登(ビンラーディン容疑者の中国語表記) 英雄」を入力すると、約110万件がヒットする。中国のネットユーザーが持つ同容疑者のイメージをうかがわせる。

 一方、改革派知識人たちの間では、罪のない市民を虐殺するテロリストを支持するこうした中国のネット世論を危惧する意見もある。評論家、楊恒均氏は自身のブログで、ビンラーディン容疑者は米国人だけでなく、アラブ人も多く殺害していることなどを紹介し、テロリストの卑怯(ひきょう)さを強調したうえ、中国の若者に対し「米国を嫌うことは結構だが、ビンラーディンを好きになってはならない」と諭している。

 また、ビンラーディン容疑者殺害について、巨額な予算を投入し、長年追跡しつづけた米国の執念深さについて「サダム・フセインも殺された。どんなことがあっても米国を敵に回してはならない」といった意見や、「米国にとって最大の敵がいなくなったことで、次は中国の番になった。気をつけよう」といった書き込みもあった。

 米国が発表した「ビンラーディン容疑者殺害という事実」をそもそも信用していない人も多い。

 「偽物のビンラーディンを殺して、大々的に宣伝して世界に周知させれば、今後本物が出てきても偽物とみられてしまう巧妙な手口だ。再選をめざすオバマ大統領の陰謀に違いない」といった意見もあった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110508-00000528-san-int