永遠の愛とは見つけにくいもの。
過去に数人の女性と付き合ってきた僕も
長くて一年、短くて二ヶ月
中学生みたいな恋愛しかしたことがなかった。
僕の名前は、足立国弘 (あだち・くにひろ) 31歳。
不動産会社に勤務している。不景気の影響で
業績に伸び悩んでいる。
そんな僕に、付き合って五年になる彼女がいる。
出会いは、今から七年前になる。
以前勤めていた会社の同僚、歳は僕よりも一つ下。
名前は荒川真由美(あらかわ・まゆみ)
気が強く、我慢強いのが長所だが、そこが仇となる時がある。
真由美とは先輩後輩の関係だったが、
気づいた時には、尻にひかれていた。
なんて、哀れな男なんだ。
だが、僕はだらしないところがあるので
しっかりとした女性がお似合いなのかもしれない。
初めて出会った時は互いに意識はしていなかった。
「足立さん、ここが分からないんですけど・・・」
最初は、本当にかわいい後輩という感じだった。
その当時、僕には彼女がいたし 他の女性に興味がなかった。
まあ その彼女とも八ヶ月、付き合って別れたのだが・・・・・・・・・・
その時は、真由美と付き合うことになるとは
まったく想像もしていなかったし、顔もタイプではなかった。
真由美との距離が縮まったのは
夏に仲の良い社員同士で、奥多摩にバーベキューに行ったとき
その場は無礼講で、みんな好き勝手 飲んだり、食べたり
川辺でスイカ割りをしたり 「ワーワー」騒いで楽しんでいた
笑いながら、その光景を眺めていた僕の顔面に、
スイカ割りで割れたスイカが飛んできた。
「痛っ!!」 普通に痛かった。 不意打ちだったから
犯人探しは簡単に終わった。
「ハッハッハッ」と一際大きく笑っている人間がいた。
真由美だった。酒に酔って ふざけて投げてきたのだ。
「なんだよアイツ!」 その程度で、怒りはなかった。
普段の僕に対する鬱憤を晴らしたのか 理由は謎だった。
なぜか、それ以降 馴れ馴れしくなってきた。
「あしたち(足立)さーん」や「だちさーん」と
ふざけて呼んだりするようになってきた。
最初は「ふざけんなよー、俺は先輩だぞ」と
言っていたが、悪気はなさそうにしているところに
何も思わなくなってきた。
今思えば、そこが 今の僕と真由美の関係図の布石に
なったのかもしれない。