私は、比較的外国人が多い町に住んでいるんですが、度々目にするのが、多くの日本人が横断歩道で赤信号が青に変わるのを待っている中、外国人がスタスタと信号無視をして道路を横断する姿です。

一度や二度ではなく、何十回とそういう光景を目にしています。

昔、日本に旅行したことがあるというメキシカンと話をした時に、「明らかに車が来ないような横断歩道でも、信号が青にならないと道路を渡らないなんて、日本人は決められたルールを素直に守りすぎだぜ。自分の命は自分で守るもんだぜ、アミーゴ!」なんてなことを言われた記憶があります。

その時はなんかちょっとそのセニョールに馬鹿にされた気分になって、横断歩道でワイルドに信号無視してた時期もありましたが、いつのまにかそんなことも忘れ、気が付くと無意識に赤信号で止まっている自分がいました。

その後、インターネットで海外の日本に関するニュースとかで「信号を守る日本人」みたいな記事が取り上げられているのを何度か見たりすることがあって、「交通ルールを遵守する日本人のモラルの高さ」みたいなことが理由として書かれてありましたが、私はいまいち納得することができませんでした。なんかしっくりこないんです。

というのも、赤信号で律儀に待っている日本人の集団があったとして、誰か一人が信号無視すると、途端に他の人も信号無視する、そういう光景も日常的に多く見ているからなんですね。


じゃあ、いわゆる「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という心理なのかというと、これもなんとなく違うような気がします。

少なくとも、私は別に、人の目が怖くて赤信号の時に止まって、みんなが歩き出すと、安心して信号無視しているわけじゃないんですね。


最近NHKのBSで放送された「COOL JAPAN」という番組で「日本の安全」がテーマだった回の放送を観たときの話なんですが、

工事現場の誘導員が「日本の安全」の例として取り上げられていて、

何人かの外国人ゲストが口々に、「誘導員とか必要?」「普通、誰でも工事現場があれば避けて通るよ」「そこまでするなんてやりすぎでしょ」と言う中、一人のブラジル人が「日本人は安全な社会に慣れすぎて感覚が麻痺しているから、注意を喚起してあげないと駄目なんじゃないか?」と言った時、なんか妙に納得してしまっていて、

その時に自分がなぜ赤信号でいちいち止まっているのかということまで、理解したような気がしたんですよね。

要するに、私が信号無視しない理由は、とどのつまり、信号無視することが「めんどくさいから」なんです。

道を歩く時、いちいち周りの安全確認に神経を使いたくないんですね。それより思索に耽っていたり、音楽聴いてたり、携帯電話見てたり、隣の人と話したり、何も考えないでボーっとしていたりしたいわけです。

だからいちいち、赤信号の横断歩道で左右確認して、車が来ていないかの確認に神経使いたくない。そんなことするくらいなら、ボーっと信号が青に変わるの待っている方がいい。

だから他の人が信号無視するのが視界に入ると、「あ、信号変わったんだな」と勘違いして、自分も一緒に道を横断しようとして、実はまだ信号が赤だったことに渡り始めてから気が付いたりする。信号すら見てなかったってことですね・・・。安全な社会に慣れすぎていて、感覚が麻痺しているんだと思います。

思い返すと、アメリカにいた頃は、無意識にしろ頭のどこかで常に安全を確認しながら歩いていたような気がします。頭のおかしいドライバーとかも時々いるし、平気でぶつかってくる人とかいるし、日本にいる時のようにボーっと道を歩くなんてことはしていなかった。

それだけ日本は、道を歩いていても安全、凄い恵まれた環境なんだなと、改めて思いますという今日のブログ。

長文ですみません。