日本テレビ系列で現在放映中のアニメ「NANA」が、世界21の地域と国で放映権を含むライセンス契約が結ばれたことが、今月の3日分かった。

元々、原作のコミックは既に海外でもヒットしており、今回のアニメ化は、世界各国からかなり注目されていた。

国別ではアジアが多いが、他にも欧州、北中南米に広がっている。

過去にも、海外で少女用アニメで爆発的人気があった作品に、「セーラームーン」や「カードキャプチャーさくら」などがあるが、両作品ともどちらかというと低年齢層向けだった為に、アメリカなどの市場では、まだまだ女性向けアニメや少女漫画の認知度はイマイチ低いという印象が個人的にはあった。この作品が海外で大ヒットすれば、今まで漫画を読んだことがなかった海外の20代の女性も、日本のアニメや漫画に対して興味を持つようになるかも知れない。

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日本のアニメが海外に持ち込まれる際、楽曲はそのままに歌詞と歌手だけ変えたり、曲そのものを変えてしまうということも珍しくないが、「NANA」では、歌が重要なモチーフとなっているため、土屋アンナが歌うオープニング曲などは、そのまま使用される国が多くなるという。

日本のポップス(J-Pop)は過去、歌唱力の無さ、オリジナリティの欠如、アジアに対する偏見などといった理由で、海外(特に西洋)からは敬遠されてきた節がある。

宇多田ヒカル、Dreams Come True、松田聖子などが米国進出を試みたが、どれも成果をあげているとは言いづらい。J-popはダサいイメージというのが、一番の理由なのではないかと思う。実際に、アメリカでJ-pop愛好家のアメリカ人が、邦楽を聴いていると、周りに白い目で見られるなどという話も良く聞く。

私は、つい最近まで、J-popがアメリカで受け入れられない理由は、日本の音楽がアメリカの後追いや模倣ばかりやっているのと、日本の歌謡界のアイドル至上主義的な傾向が原因なのだと思っていた。つまり、日本の音楽(演歌とかは除いて)はレベルが低いのだと。実際に未だに多くのアメリカ人は日本のポップミュージックはレベルが低いと思っている。

過去に、Puffyが米国でコンサートを開いた時、当然ながら私は、彼女たちがアメリカで受け入れられることは絶対無理と思っていた。あんな歌唱力も無い二人組の女性ユニットが、甘いメロディラインが多い楽曲で、観客を納得させられたとしたら、それは何かの冗談だろうと思っていた。現に当時の現地の新聞などを読むと、酷評する記事が多かった。

しかしながら、皆さんもご存知の通り、現在Puffyはアメリカでまずまずの成果をあげている。恥かしながら私の予想は大きく外れたのである。なんだか良く分からないがPuffyはかっこよかったのだ。キティちゃんがCoolだったり、豆腐がヘルシーだったり、近年のアメリカでのジャパンブームを見ると、もう何がうけるか全く分からない。

日本のカルチャーは日本人が思っている以上に、海外で人気だ。多くの場合、それはアニメやゲームなのだが、海外で日本のアニメやゲームの主題歌がそのまま流れていることも多く、(アメリカでも日本のアニメの主題歌がそのまま日本語で流れていたりしている)、そこからJ-popに興味を持つ人も増えている。未だ一般の人々にはJ-popがダサいと思われていることに変わりは無いのだが、それでも少しずつJ-pop好きな人は増えているのである。

そういうわけで、日本人アーティストが海外進出するには、現状、そのまんま殴りこみに行くのではなく、アニメやゲームの主題歌で少しずつ人気を得ていくことが、一番の近道なのではないかと最近思う。ガンバレ日本!