孤立高齢者を守れ、民生委員に個人情報提供し訪問事業本格化へ/横浜 | プライバシーマークだけじゃない個人情報保護、年間3万円からの個人情報保護マーク

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 増え続ける1人暮らしの高齢者を地域で見守る態勢づくりを推進しようと、横浜市は4月から、地域の民生委員に75歳以上の独居老人の個人情報を提供し、訪問してもらう事業を本格的に始める。近所づきあいの希薄化などで各家庭の事情を把握しにくくなっている現状を改善する。2011年12月から全18区のうち9区でモデル実施しており、効果などを検証。日常の見守りだけでなく、災害時の迅速な支援も期待している。

 最新の国勢調査(10年)では、市の1人暮らし高齢者(65歳以上)は13万2016世帯。過去5年間で35・2%増えている。10年前の約7万4千世帯と比べるとほぼ倍で、「単身老人」が急増している。地域社会が様変わりしていく中で、厚生労働相に委嘱された民生委員がお年寄り家庭を訪ねるなど支援を続けている。

 しかし、近年は「1人暮らし老人がどこに住んでいるのか把握しきれない」という声が強くなっている。背景にあるのが05年に施行された「個人情報保護法」。市が名簿を出せず、自治会も名簿をつくるのを控えたりするなど地域で各世帯の家族構成などを把握する力が落ちているという。

 そこで、市は09年に検討会を設置。75歳以上の1人暮らしのお年寄りの氏名や住所、電話番号、要介護度などは本人の「同意なし」で民生委員や地域包括支援センターに提供できるよう準備を進めてきた。11年3月には個人情報保護審議会が「公共の利益がある」として例外的な情報利用を認めた。

 これを受けて市は、11年末から9区(25地区)で、住民基本台帳などを基に作成した約1万人の名簿の提供を開始。区が連絡を入れた上で、守秘義務を課せられている無償の地方公務員である民生委員が対象世帯を訪問している。お年寄りからは「声を掛けてくれてありがたい」と好反応も得ているという。

 ことし2月には民生委員らにアンケートを行い、効果や課題などを検証。4月以降は全市に拡大し、最終的に計10万人を対象にしていく。

 市健康福祉局は「東日本大震災以降は地域の絆を見直す機運も高まっている。日常的に触れ合い、孤立するお年寄りを一人でも減らしていきたい」と話している。市によると、個人情報提供は10年度末で19政令指定都市のうち、相模原市など15市で実施しているという。

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