七夕を前に作新学院では、能登半島地震にこれまで寄せていただいた義援金を活かして、被災者の方々に夏を乗り切っていただくための支援を進めています。

 

作新の災害支援では常々、募金活動で集まった義援金を日本赤十字など大きな団体にそっくりそのまま寄付するのではなく、できるだけ顔の見える息の長い支援が続けられるよう、発生時から時間をかけて各被災地とコンタクトをとり、それぞれの地域で時事刻々変化するニーズを教えていただき、お預かりした義援金ができるだけ適時適切に届け活かされるよう心を砕くことを心掛けています。

 

報道の機会も少なくなり被災地のことを人々が忘れがちになった頃からが、作新学院の支援活動の本番です。

 

そうした中で例えば、現在の輪島市の避難所ではコードレス掃除機が必要という声をいただいたり、珠洲市の避難所ではサーキュレーターなどが足りないとの声をいただきました。

 

ちなみに輪島市の避難所は6月12日現在で21ヶ所、珠洲市では13ヶ所開設されています。

 

先月は作新学院に被災された輪島塗の職人さんをお招きして、児童・生徒たち向けに講演と体験指導をしていただきました。

 

300数十名の子どもたちが、被災されたご本人から被災地の様子を教えていただき、伝統技術の奥深さとそれを継承して行くことの重要性を学ばせていただく、またとない機会を頂戴しましたが、「文化財保護芸術研究助成財団」も能登半島地震復興に向け支援窓口を開いていることを知りました。

 

また、作新ではできるだけ子どもたちや学校に関する支援をしたいと考えているため日頃から、まだ使える制服や文房具を処分することなく、使い終わった人とこれから必要とする人へつなげる活動をしている「NPO法人・制服バンク」さんともお付き合いがあるのですが、「制服バンク石川」も7月に被災地の親子を集めた会を予定していて200家庭ほどが参加予定のため、支援があると有り難いとのことでした。

 

という訳で、作新学院としては能登半島地震復興支援募金の残高が現在約180万円ほどありますので、とりあえず

⚫︎輪島市の避難所支援に50万円

⚫︎珠洲市の避難所支援に40万円

⚫︎NPO法人制服バンク石川に30万円

お届けすることに決定しました。

 

必要な物品もこちらで用意するのではなく、被災地のお店で購入していただくことが地元の活性化につながるので、今回もそのようにしていただけるよう、子どもたちのメッセージとともに被災地へお届けすることとしました。

 

こうした支援と合わせて作新の子どもたちから、「のと鉄道」の各駅へ応援メッセージを大きな絵手紙にしてお送りし、構内に張り出してもらったらどうだろうという提案がありました。

 

早速のと鉄道さんに問い合わせたところ大変喜んで下さり、ちょうど久しぶりに現地の皆さんを元気づけようと開催を決めた七夕行事が行われるので、作新学院からもメッセージをもらえると嬉しいというお話をいただきました。

 

子どもたちには今週いっぱい短冊に思い思いのメッセージを書いてもらい、来週初めには発送予定となっていますが、のと鉄道の職員さんも「せっかくの温かい気持ちなので、各有人駅に分けて飾らせてもらいます!」とおっしゃって下さいました。

 

私たちとしても子どもたちのメッセージが一人でも多くの能登の皆さんの目にとまり、ささやかなエールとなればこんな有り難いことはありません。

 

 

 

 

実は毎年この時期、私も大祓ご祈祷の形代(かたしろ)とともに短冊飾りに願いをしたため、京都・貴船神社にお送りしているのですが、これまで文面はいつも「世界平和」の一言のみでした。

 

ただ今年は、能登やガザ、ウクライナやミャンマーなどの人たちの生活に思いを馳せ、次の言葉を短冊にしたためました。

 

「すべての人たちが穏やかな心で星を見上げられる日が、一日も早く訪れますように」