季節遅れの画像で恐縮ですが、ひょんなことから墓を建てることとなり、今春、亡父を納めました。
昨年初めに父が身罷って以来、私にも弟夫婦にも子どもがいないことから母は遺された家族に手間を掛けない永代供養墓を希望していたのですが、私の心には父が生前、冗談めかしてよく口にしていた「宝くじに当たったら青山霊園」いう言葉がずっと引っかかっていました。
そこで母にも弟にも一度きりという約束で、昨夏の都立霊園抽選会にトライしてみたところ、なんと当選してしまったのです😲
夢にも思っていなかった青山霊園に、ほんの雀の額ほどの広さとは言え我が家も墓を建てさせてもらえることとなり、やり出したら徹底的にやり切らないと気が済まない、厄介な“私スイッチ”が入ってしまいました。
まずは完全オリジナルでデザインを起こし、次にイメージ通りの石材を探し、更にその風変わりなデザインと入手困難な石材で墓を作ってくれる奇特な石材店を探し···と、墓づくりは困難を極めることに😱
自分でもなんでこんな七面倒臭い墓を作ろうと思ったのかと自分に愛想が尽きかけながらも、あぁもう絶対絶命···と諦めかける度に天のお導きとしか思
えない不思議な出会いに恵まれ、なんとか3月半ばに完成しました。
ひとえに施工を引き受けて下さった「鱸猛麟石材店」さんの卓抜した技術とセンスと誠実さの賜物で、ド素人のイタズラ書きに過ぎなかったデザインは見事に造形され、たまたま隣に植っている桜の古木と相俟って、父を安らかな思いで納められる拠所となりました。
西行ではありませんが、願わくば霊園を彩る桜がほころぶ頃には父を安置し、親戚・友人の皆さんにも花見がてら墓参していただければと考えていたのですが、すべてが思い描いた通り、いえそれ以上に順調に進みました。
間違いなく天国の父が、すべて段取ってくれたのだと、今あらためて感じています。
ガラス墓碑には、父が最期を迎える直前、医療福祉関係の皆さん方からこれ以上ないほど厚い看護をいただき実感した、
「光は闇の中で輝いている。
闇は光に勝たなかった。」
という「ヨハネ福音書」の一節をギリシャ語で刻みました。
墓誌は父が大好きだった本を模り、墓参の折は父が旅先でずっと持ち歩いていたウイスキーボトルに、父の愛したスコッチを入れて献杯しています。
遅かれ早かれやがて皆ここに集うのだという覚悟を胸に、自然豊かで穏やかなこの霊園の空気が乱されぬためにも、地球環境や世界平和をほんの少しでも守れるよう、残りの人生ゆるがせにせず生きて行きたいと思っています。