『サロン・ド・ショコラ』に合わせ来日した有名ショコラティエ2名を招き、神楽坂のフレンチ「ルグドゥノム・ブション・リヨネ」が二日間限定で開催した「ショコラ・ディナー」。
   

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ルグドゥノムは、オーナーのクリストフ・ポコさんによるこだわりのインテリアが醸し出す、フランスの伝統的なブションならではのアットホームな雰囲気に包まれながら、とびきり本格的なリヨン料理を楽しめる稀有なレストランです。

 

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ブション(リヨンの大衆食堂)と名乗りながらも、11年連続でミシュラン一つ星を獲得し続けるなど、ルグドゥノムの技術の高さと厳選された食材のクオリティーの高さは折り紙付き。

年に何度か有名シャンパーニュのネゴシアンなどを招いて魅力的なコラボディナーが開催されているのですが、いつも仕事と重なってしまい実はこれまで一度も参加できず臍を噛んでいました

たまたま今年はたった二日間のみ開催されたショコラディナーの二日目に夫婦揃って伺えることとなり、ついでにひと足早く私の誕生日も祝っていただいてしまいました。
 


 


メニューは、レンズ豆のマリネと豚皮のモチモチ煎餅のアミューズに続き、まずはオードブル。
 


 

・マグロとホタテ貝のタルトレット アボカドとピスタチオ

新鮮なマグロとホタテをルグドゥノムお得意のビネガーで和えた食欲をそそる旨みに、アボカドのまったり感とピスタチオの香ばしさ、上質なタルトレットのバター風味が絶妙に相俟った、さすがの一皿。
 


 

続いての魚料理は、

・富士山サーモンとイクラ クレソンのピュレ
       生姜の香りのソースヴァンブラン
 

実は富士山サーモンは鮭ではなく(ます)。イクラも鱒子で、とにかくとびきりフレッシュで透明感溢れる美味しさ。やはり川魚のためどこか緑っぽいというか苔のような香りがあって、だからこそ綺麗な水で育った新鮮なクレソンのピュレが、ピッタリと優しく寄り添ってくれます。

 

 

メインの肉料理は、美しき冬を象徴するかのような端正なパイ包み焼き。

・豚肉とフォワグラのピティヴィエ
       たんぽぽのサラダとトリュフ風味のジュ
    
「ピティヴィエ」とは、フランスを代表するパイ菓子で通常はアーモンドクリームを詰めますが、この日のピティヴィエにはとろけるばかりのフォワグラと豚のリエットが詰まっています。

トリュフの薫り高いペリグーソースとフォワグラが沁み込んだルグドゥノムのパイ生地はとにかく美味い💓😭💓

もう天下無敵の美味しさで完全にノックアウトされました✨


62年間の人生でダントツに美味しい、これぞパイ包み料理のお手本という格別な一皿でありました。
 


 

さて、お待ちかねのショコラ・デセール。まず一皿目はショコラティ、ヴァンサン・ゲルレ氏による

・ラ ノワゼット ショコラ

どこまでも透明感溢れ雑味のない、まさに王道のショコラにはただただ脱帽。
一口また一口とスプーンを運ぶたび口福感が際限なく増して行き、またその度にノワゼット(ヘーゼルナッツ)の芳ばしい香りが弾けて、本当に幸せでした(๑>◡<๑)
 


 

二皿目のショコラデセールはショコラティエ、アルノー・ラエール氏による

・サブレブルトン プラリネフィユテ

       ワイルドペッパー香るシャンティショコラ

選び抜かれた食材により丁寧に作られたサブレブルトン、薄いプラリネ、そしてどこまでも軽やかでナチュラルでこっくりとしたクリームと高貴なショコラに、目が醒めるような上品なペッパーの香りという、重層的で複雑な味わいにもかかからず見事に一つに溶け合って、どれかの味がどうだと主張し尖ったところが微塵もない。

何気なくすべてが調和して、さりげなく気品ある幸福感に食すものを誘ってくれる、舌を巻く締めの一皿でありました。

香り高いカフェとともに供された小菓子(ギモーブとボンボンショコラ)にも、最後の最後まで手を抜かない丁寧で上質で繊細な手仕事をヒシヒシと感じ、和気藹々としたプロフェッショナル同志の溢れるパッションと高い志に酔いしれた、最高の宵でありました

 

お二人のショコラティエ、お店のスタッフの皆さん、何よりコロナ禍でも毎週凝ったテイクアウトを作り続け、最高のフレンチで私たちを励まし続けてくれたクリストフ・ポコ シェフ、本当にご馳走様でした😋🙏👏🙏👏😋

ルグドゥノム 万歳 🙌🙌🙌🙌🙌

 

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  (※画像出典:ルグドゥノム・ブション・リヨネ)