残暑お見舞い申し上げます。

 

立秋を過ぎても記録破りの蒸し暑さが続いてもうウンザリという方も多いと思いますが、せめて気持ちだけでも涼やかに日本の夏を愉しみたいもの。

 

そこで夏休みの絵日記気分で、今マイブームの京都「鍵善良房」製の干菓子を手持ちの器に並べ遊んでみました。

 

 

鍵善良房は、祇園の四条通りに本店を構える老舗菓子屋で、その歴史は文献で確かめられるだけでも300年前に遡ります。

 

その季節の干菓子詰め合わせが、こちらの「園の賑わい」。

 

 

 

 

昔、祇園祭の折に、花街の女性たちが仮装をして行列する“お練り”の様子を「園の賑わい」と呼び、その名にあやかったそうですが、季節の華やぎや移ろいを心細やかに映して、それは(みやび)で奥ゆかしい一箱です。

 

このまま()めつ(すが)めつしていても、それはそれでよろしいのですが、それでは一向に舌で愉しめません。

 

第一、日に日に味わいは劣化して行ってしまいます。

 

それではお菓子に対しても失礼ということで、私は幾つか取り出したらまずお皿の上で“お絵描き”し、その美しさをしっかり写メに収めてから、後顧の憂いなく味わうことにしています。

 

 

 

 

夏の干菓子は、色合いも青や緑と涼やかですが、「琥珀」や「艶干し錦玉」と呼ばれる寒天を少し乾かして表面をパリッと固めたものも、見た目が涼しげなだけでなく、食感もひんやりとして楽しいです💓

 

こちらは、琥珀製の紅白の牡丹。

 

 

 

 

ピンクと紫の朝顔や、青紅葉をあしらったコバルトブルーとホワイトのストライプなどはゼリー製で、こちらも見た目、食感とも夏らしさを堪能できます。

 

鍵善良房さんのお菓子は、どんなにささやかな一つでも、選び抜かれた食材で丁寧に丁寧に、微塵の妥協もなく精魂込めて作られているので、とにかく美味しい。

 

殊に、お米の芳ばしい味わいが香り立つ落雁は最高ですので、是非見ているだけでなく味わっていただきたいと思います。

 

 

さて、器の絵柄を活かして、こんな遊びも楽しめます。

 

 

 

 

愛らしいメダカの染付皿は、建築家の隈研吾先生の作。

 

先生から贈っていただいて以来、我が家の夏の食卓には欠かせない“てっぱん”の一枚です。

 

お盆の最中、御仏前にもちょっとお供えという時は、こんな感じで如何でしょう。

 

 

 

 

実は今回ご紹介した鍵善さんの干菓子は立秋前のラインナップのため、いささか季節遅れの感があるやもしれませんが、そこはこの夏の猛暑に免じ「五山の送り火」までは盛夏ということで、どうかご容赦下さいませ。