初富士とは、元旦はじめに仰ぎ見る富士山のこと、俳句の季語にもなっています。

 

大晦日から緊張感の走る2021年の年明けでしたが、今年の元旦は久方ぶりに、裾野から頂上まで一点の雲もささぬ完璧な富士山を拝むことができました。

 

実は年の初めには、私にとってどの仕事よりも重要な御神事があり、元旦は毎年京都に向かうのが習わしとなっています。

 

ただ、今年は感染症対策の観点から延期や中止も視野に、10月半ばからあらゆる選択肢を検討してきました。

 

一時は日程を一月後半に移してという案も出されましたが、今後、緊急事態宣言が発出されることも想定される中、やはり新幹線の乗客数が例年極端に少ない元旦に移動することがベストであると判断し、念のためPCR検査を受け陰性も確認した上で出発を決めました。

 

但し、出張中の食事はすべてテイクアウトとし、必ず個室でとれる環境を確保。

 

また移動中には、飲食はもちろん洗面にも行かないことを徹底し、とにかく感染リスクを与うる限り排除することに努めました。

 

そのようにして臨んだ御祭事でしたが、神の御加護か天気予報で心配された積雪や寒波はどこへやら、近畿地方は例年以上に穏やかで暖かく晴れやかな神日和に恵まれました。

 

参拝客で混み合うこともない厳かな境内には、清々とした氣が満ちて早咲きの梅もほころび始め、身も心も隅々まで浄められる格別な年頭神事となりました。

 

 

天気はまさしく天の気分、気持ちですので、こんなにも澄み渡る日本晴のもと、完全無欠の初富士が臨めた2021年が良い年にならないわけがありません。

 

「雨が降らなければ、虹はささない(“No Rain, No Rainbow ”)」ということわざのように、試練を乗り越えた先には必ずこれまでよりも素晴らしい未来が来ることを信じて、すべてを楽しみ感謝できる一年にして行きたいと思います。