4月20日、天皇・皇后両陛下主催の春の園遊会が、麗らかな陽光が降りそそぎ、そよ風吹きわたる中、開催されました。
もう20年近く、ほぼ毎年伺わせて頂いている園遊会ですが、今春は公私ともに忘れがたい宴の時となりました。
と言いますのも、作新学院の卒業生である萩野公介選手が、昨年のリオ五輪メダリストの一人としてご招待をいただいたのです。
本学の中等部と高等学校の6年間、子どもから大人に変わる一番の成長期を、間近に見続けてきた萩野選手。
高校3年生で迎えたロンドン五輪では、現地までご両親とともに応援に行き、卒業後も大きな試合の度に連絡を取り合って来ました。
一昨年の右肘骨折という大怪我の際も、そこから始まったリオ五輪への復活の日々も、変わることなく折々に連絡を取り合い、子どものいない自分にとっては我が子にも等しい存在でした。
そんな萩野選手が、陛下からご招待を受けるまでに成長し、私たち夫婦もともにここ赤坂御苑で陛下への拝謁の機会をいただけるとは…
議員バッジをはずし教育現場に身を置いてから15年、このような僥倖がめぐって来ようとは思ってもいませんでしたが、天から授かった御褒美の如き夢のようなひとときでした。
天皇陛下のご退位についても、有識者会議から最終報告が提出され方向性が示される中、13年ぶりに和装で雅子様も出席されるなど、皇族の皆様方も新たな時代を迎えられる華やぎに包まれているようでした。
天皇皇后両陛下も、いつにも増して沿道の招待客に細やかにお声がけを下さり、数メートル進まれるにも随分と長い時間を要しておられました。
天皇として自らに残された時間に対し、最後まで最大限の誠意を尽くされんとする陛下の思いのほどがひしひしと伝わって来る、足取りであられました。
このところの初夏を思わせる暖かさのせいもあるのでしょうが、樹々の緑も花々も、いつにない鮮やかさで勢いを増しているようでした。
毎春、愛でるのを楽しみにしている藤棚は残影ながら花の頃を過ぎていましたが、その代わりにいつもは固い蕾の芍薬が今を盛りと咲き誇り、
八重桜とともに最高の撮影スポットとなっていました。
天皇皇后両陛下の、ひたすらに国民を慈しまれる深い思いと、これまでのご尽力・ご功績にあらためて思いを馳せ、万感胸に迫る春の園遊会でありました。