京都 北野天満宮の「梅花祭」に催される野点茶会に、今年も御招待を頂きました。このお茶会は、上七軒の芸妓舞妓衆が総出でおもてなしをして下さることで知られていますが、暖かな陽射しに恵まれたこの日、開花が遅れ気味だった境内の梅も絢爛にほころび、夢の如き雅なひとときを過ごさせて頂きました。


 お正客と次客には芸妓さんが立てて下さったお茶を、舞妓さんが運んで下さるのですが、今年の正客茶碗は鮮やかな茶だまりに春を感じる梅模様の赤楽でありました。

 
 
 こちらの野点茶会ならではですが、炉縁は天満宮の古瓦を使用し、また炭は注連縄を燃やして作られています。まさしく「神とともに遊ばせていただく」、尊い茶会であります。


 上七軒は祇園などよりその歴史は古く京都で最古の花街で、その発祥は北野天満宮の古材により七軒の茶店を建てたことに発しています。ですから京の都が最も冷え込み雪もチラつく時期にもかかわらず、朝から丸一日すべての芸妓舞妓衆が、ボランティアでお客様をもてなして下さいます。

 北野天満宮の御神威と上七軒の皆さんの心意気に、梅の香とともに心洗われた一日でありました。