石巻の門脇中学校の生徒の皆さんとともに、荒れ地を拓き雑草を払って花壇を作っている作新中等部生たちの向こうに、移転が決まって取り壊されている石巻市立病院が粉塵に白く霞んで見えました。夢のように不思議な“現実”の風景でした。


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東北研修から自宅に戻りテレビをつけたところ、偶然、石巻市立病院の看護師長さんがインタビューに答えてらっしゃいました。

「新しい病院はどのような病院にしたいですか?」という記者の問いに彼女は、

「もっと良い病院にしたいですね。前の病院の通りではダメだと思うんです。もう一段上のレベルの病院にならなければ、犠牲になった方々に申し訳ないですから。」

震災当時、自身の家族の安否もわからぬまま、次々に運び込まれる人々を不眠不休で救ったことで繰り返し報道された石巻市立病院の皆さん。その先頭に立って働かれた看護師長さんの謙虚で確固たる意志を持った一言に、あらためて背筋が伸びる気がしました。 
 

この日本も、復旧ではなく「復興」でなければダメだと思います。

 

阪神淡路大震災ですら復興に10年かかっています。東日本大震災から日本が復興する前に、中等部の生徒たちは確実に大人になることでしょう。

将来の復興を担う日本人を、いま大人である私たちがどのように教育し育んでいくか。この一点に、この国の未来が託されているのだと思います。

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「作新」という校名は、中国の古典・四書五経の『大学』の一節、「日に新たにして、日々新たなり。…新しき民を作せ。」に由来しており、「新しき未来を切り拓く人材を輩出する」という建学の精神を128年貫いて、ここまで続けさせていただきました。

その名に刻まれた使命に恥じぬよう、未来を切り拓く多様な人材をこれからも「作新」は育み続けて行きたいと思います。