この【ECサイトの不思議】では、
越境に限らずECサイトというものに関する知識や経験を書いていきます。
信じるも信じないも貴方次第な内容が多いので、気をつけてください。
私はネットで物を売流ことにした後、自社サイトを作ることを選びました。
それは、将来私が引退した後も利益を出してくれる事が一つの目標だったからです。
ネットで物を売ろうと思った時、大まかには2つの選択肢が存在します。
1、他社の販売サイトやモールに出品して販売する。
2、自社のサイトで販売する。
これだけです。
この二つ、サイトの管理だけの手間ならあんまり差はないです。
しかし、発注や決済。諸々差が出ます。
まずは、タイトルの説明から。
これは、大げさには書いているつもりがないです。
本当に将来やっていけないと思っています。
なぜならば、大手モールでの出品は売上げがよく立ちます。
その売上げは麻薬のように、店にとって手放せない売上げとなります。
しかし、手数料によって利益は売上げ程大きくなりません。
大きく膨らんだ売上げは、しかし利益を増やさずに負担を増やします。
モール内での販売価格競争は、明確に売上げに繋がります。
ショップ間での競争とは、すなわち価格と送料しかないからです。
こうして、安易にモールで売上げを上げると、
モールがなければやっていけない「モール依存」の会社ができます。
余裕のないキャッシュフローは、世間の流れに容易に振り回されて墜落します。
これを私の周りでは「モールの沼」と呼んでいます。
とはいえ、モールが悪というわけではありません。
毒も薬も使い方次第。
用法用量を把握して、適切に使えばいいのです。
その判断の材料となった違いを、以下に書きます。
1、他社の販売サイトやモールに出品して販売する。
維持管理に手間がかからず、売上げもよく立つ。
日本のネット販売の9割が恐らくこれです。
Amazon、楽天、Yahoo!ショップ、メルカリ 等々
ショッピングモールの場所を借りて販売します。
メリットは、構築費用や宣伝費用、維持費用が安く済みます。
とにかくコストが安いです。
その上、ネームバリューがありますので、売上げが立ちやすいです。
すぐに売れます。間違いなく。だってみんな使ってるもん。
決済もある程度責任を持ってくれますし、カスタマーサービスもしてくれます。
売る側として安心できます。
デメリットは、利益が取れません。
売上げの10〜20%を手数料として取られます。このショバ代は尋常じゃないです。
そして、自分の店は誰も覚えてくれません。
みんな、Amazonや楽天で買い物をしに来ています。
どんなショップから送ってるなんて見てないです。送料くらいしか見てない。
顧客情報も基本貰えないです。ショップとしてアプローチは基本できません。
2、自社のサイトで販売する。
利益率が良く、将来的な展望に富む。
自社のURLを持ち、デザインから決済情報まで全て管理しています。
メリットは、利益が取れます。
中抜きは決済会社の手数料くらいなので、高くても5%くらい。
送料設定も自由です。楽天みたいにモール側から強制されるものはありません。
登録者のデータは好きに利用できます。
顧客情報からDMを送ったり、個人個人に合わせて割引したりクーポン送ったり。
年齢層や地域で販売戦略を練ってもいいです。
デメリットは、コストの高さと保証がない事。
初期費用はモールに比べて高いです。サイトデータを保管するサーバー管理費もかかります。
保障は何もありません。
カスタマーサービスも自社で全部やるし、顧客と揉めたら全部自分でやる。
マーケティングも何もしなければ、恐らく何10年待ったところでサイトを訪れる人もゼロです。
モールと違い、売上げを立てるにはネット上でのマーケティングを効率的に行う必要があります。
これができないと、制作費が無駄金で終わる未来が待っています。
総括
モールに依存すると、売上げに対して会社の体力が釣り合わなくなる。
分不相応な売上げがあるということは、経費も嵩んでより会社のキャッシュフローを困難にします。
自社サイトを運用するには、相応の知識と手間が必要。
IT技術を使いこなすことが肝要です。時間と手間がかかりますが、一度進みだせば先がひらけます。
そう言われてもわからない。
こういう感想を持った人は、わかる人に聞くべきです。
私も何もわからない人でした。
わかる人を訪ね、話を聞き、自分でやってみて
それでようやく、少しわかるようになった気がします。
やってはならない事。
それは、わからない事をわからないままに判断するという事です。
ECショップは伸び代の大きい、いわばブルーオーシャンに近い市場です。
しかし、多くの人はそこにたどり着く方法を知りません。
モールという仲介人を通して、その利益に触れる人。
案内人に金を渡し、連れて行ってもらう人。
自ら探し、求める人。
この業界は、利益を啜りたい大手にいかにして対抗するかとの戦いです。
IT後進国と言われる日本は、こういった所に新規参入のチャンスが多いのかも知れません。