バンコクのカオサンの「寺裏」と呼ばれる場所がある。カオサンからボート乗り場に行く通りだ。


カオサンの大きな寺の回りに道が巻いているので非常に判りやすい場所だ。


その通りに綺麗な仏像のペイントがあったので、気になり見てみたら、店主はろう者だった。


私は日本手話が多少出来るので、店主に日本手話ではなしかけてみた。店主は驚いて手話で返してきた。店主の名前はPONPISTさん。絵描きさんだ。


私は日本手話しか当然出来ないのだが、不思議な事にPONPISTさんのタイ手話が何となく判った。PONPISTさんも私の手話を判ってくれた。「手話は国や場所によって違う」と教科書的な知識しかなく、その違いだけを今までプロミネンスしてきた私にとっては驚きと同時にコミュニケーションの本質を垣間見た出来事だった。


ただ、この体験を人に伝える、特に手話学んでいる人に伝えるのは困難かもしれない。教科書の文言に引っ張られてしまうからだ。


手話を使う、彼らの耳を兼ねた目で捕らえられたモチーフは言葉を紡ぐ手に伝わり、その描かれる絵は何となく吸い込まれる迫力がある。細かい描写とリアルさそれに反する切るところはザックリ切る構図が気に入った。彼らがろうと知る前から店の前を通る度に絵が気になっていたのだが、彼らの作品は見る人間を魅了する力がみなぎっている。



ぶす犬くーちゃん-ポンピストさん
PONPISTさんとPONPISTさんの作品です。


ぶす犬くーちゃん-絵

手書きの仏像です。この作品はPONPISTさんの作品ではありませんが私がこの店を覗いた際に気になった作品で今回1500バーツを1000バーツに値切って買いました。PONPISTさんの作品ならば本人を目の前に値切れません。この作者はPONPISTさんの友達です。「作者と会いたい」と言ったら「もう寝ている」との事で会えませんでした。


日本手話で「友達」の単語でしたが、タイ手話ではどうなるのかな・・・・店をやっているのはPONPISTさんと女の人が居ましたが、私が訪れた時はPONPISTさんだけでした。ひょっとして日本手話「友達」はタイ手話では「彼女、妻」の意味なのかもしれません。なので、この作品はPONPISTさんの奥さんの作品かもしれません。


なんとなく判るとはこの程度ですが、これが音声言語ならば全く判らないでしょう。

ぶす犬くーちゃん-地図