NHKスペシャル「女と男」
最新科学が解き明かした性の差を紹介した番組だ。
いままで、科学的には女は小さな男として紋きり的に扱われてきたのだが、それは間違いだと判った。そして、非常に思い当たる部分もあった。
一番驚いたのは今まで信じられてきた「女は地図が苦手」は間違いだった。出題の方法が男性有利だけだったのであり、女性有利な出題ならば、男性は完敗だった。
実験はワンペニー(1/4ドル硬貨)を公園の場所に置き、それを男性と女性それぞれに文章を頼りに探させる方法なのだが、方向と距離を書いた、いわゆる地図型の文集の場合は男性が良い成績を収めたのに対して、目印を書いた文章になると女性の方が成績が良かったのだ。
これは、進化の過程で構築された男と女の脳の情報処理のプロセスの差が原因だ。太古の昔、仕事の分担は男は狩猟、女は採取だった。いずれも、移動を必要とする物なのだが、狩猟の場合は獲物は常に東西南北動き回る。それを仕留めて帰路に付く場合、自分の位置を掴み、家に迷わずに帰る必要があった。今のように道路が整備されている訳では無い。森だったり、草原だったりの場所から家にたどり着く能力を男は発達させた。それに対して、採取の場合は得る物は常に固定されている。その場合必要なのは目印である。女は言語と記憶と目印を頼りに採取をしていたのだ。
男の脳と女の脳では情報処理に差がある訳であり、その能力を最大限に発揮させる為には画一的な対応をするのが間違いだと判った。男の脳は問題解決型であり、女の場合は協調型である。そして、男は仕事に優先順位を付けるが、女は同時進行で仕事をする特徴がある。女を相手にビジネスをする場合は直接の結論は一旦さけ、いくつかの選択肢を与えて話し合いにより、選択肢を絞る。また、結論が一つしか無い場合はそのプロセスをよく説明し、納得させるのが必要だと判った。
結論としてボスは女性にして、その下で専門に特化した構成が一番仕事はスムーズになるとの事だった。ただ、一番重要なのは、男脳と女脳を理解して、それを利用する事である。
この番組は思い当たる節がある、有益なものであった。