今年の景気後退は非常に早かった。しかも世界同時に発生した。今後もどんどんと景気が悪化するのか。いやいや、景気は循環する物、これだけ景気後退が早ければ回復も早い。
この世は通貨経済である。通貨の性質上、不況は避けて通れない。そもそも会社とは利益を目的とした集団である。この集団に利益追求の規制を掛ける事は資本主義社会では許されないのである。
これを要約したら。
日本にある金の合計は好景気だろうが、不況だろうが変りは無い。
消費者は企業が売る物を購入する。
企業は物を売れば売る程、株主への利益の分配と企業内の内部留保の金が増える。
企業に溜め込まれる金が増えるから、消費者に回る金の比率が低くなり、消費者は企業から物を買う余裕が無くなる。
消費者は物を買えないから企業の業績が悪化する。
企業はリストラを行い、業績の悪化を内部留保で補填する。
企業が業績を出すため、物の値段を落として販売をする。
物の値段を落とす事により、内部留保の金は消費者側へ行く。
余力のある消費者から購入しはじめる。
生産が増える。
消費者側に金の比重が高くなり、物が売れ始める。
人員が必要となる。
企業はイケイケ生産を始める。
以上の事が延々と繰り返されるのである。
つまり、不況は当然発生する物なのである。
もっと違う言い方をしたら、
一定量の金を企業と消費者が綱引きを未来永劫、延々にしているに過ぎないのだ。
更に言えば、企業は金の放出と回収を永遠に繰り返しているのに過ぎないのだ。このことは、どんなに大きい企業でも、所詮一つの企業、日本全国の金の規模から比べたらノミ以下に小さい、それ故に気付かないだけである。
今、どこかが好景気ならば、そこにバイアスが掛かっている事になり、この場合の不況は弱い立場程長引く。しかし、今回は世界同時不況。恐慌と呼べるレベルだ。これならば、循環は早い。
「恐慌とは不均衡を暴力的に解消し、再生産をもとどおり可能にさせる装置である。」
以上が私が今回の不景気を楽観視している理由である。