亀岡からのトロッコ列車ですぐに引き返し、嵯峨野へ向かった。指定された立ち席に行ったら、なまはげの格好をした車掌さんから座れるから一号車に行けと言われたので行ったら、その名の通りの客車が座席と雨よけの幌があるだけのトロッコの客車だった。秋の冷たい風を切り進むのだが、風情はこの客車の方がある。


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岩から川藻が伸びているのが良かった。

光の加減で右下の露出がオーバーになったのが残念だ。太陽が山陰に完全に隠れたらきっと良い写真になっただろう。


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向かいの前の席に座った修学旅行の高校生に撮ってもらった。


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狸の置物が並ぶ保津駅です。


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雨よけの幌しか無い車両なので、客車の中に落ち葉が入ってくる。

今回の写真撮影を競うゲームのテーマ「ちいさな秋」にピッタリの雰囲気ではある。


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見上げたら、屋根に張り付いた落ち葉から「撮って~」と声をかけられたように感じた。


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悩んだあげく、審査に掛ける写真をこれにした。



今回のテーマ「ちいさな秋」、この「ちいさな」をどう捉えてよいかこのゲームに参加する前から困っていた。俳句の季語を調べたり、唱歌「ちいさい秋みつけた」の歌詞からそのイメージを探ったり、して思いつくさまざまな「ちいさな秋」を捉える試みをしたのだが、いまいちシックリと来ない。「秋」そのものは冬に向け自然が一斉にその命を動かしている。なので「ちいさな」と形容するのは人間の都合なのだと感じ、人間活動に迷い込んだ秋を撮影する事にしたのだった。嵯峨野は「ちいさな」の部分を無視し、見ごたえを追求するならばもっと良い作品が短時間で撮れるような場所だが、「ちいさな」の縛りを加えるのならば、その困難さはイッキに跳ね上がる。今回のトロッコ列車に張り付いた落ち葉。この落ち葉から声が掛からなかったら私は今回の写真撮影はノーコンテストになっていた可能性が非常に高かったのだった。結果は銀だったのだが、私はこの結果に満足している。