英語に「That's the way the story goes(最初からそういうあらすじ(運命)だったのだ)」がある。

今回の「ガンジス川でバタフライ」の惨憺たる視聴率はまさに「最初からそういう運命」だったのである。


昔と違い、今は目の前に面白い事など沢山ある。旅行はその面白い事のジャンルの一つになってしまった為に、旅行は昔は人々の憧れだったのが、今ではボーリング並のレジャーなのだ。それ故にお茶の間のテレビのニュースにも放映されないような特異な地域、インド、バナラシのガンジス川となれば、その知名度はバックパッカー以外は知る訳も無く、興味も無いのが現状なのだ。


主演が長澤まさみとは言え、興味も無い地域の出来事を誰が見ると言うのか。これが「グランドキャニオンでベースジャンプ」とか「ラスベガスで素っ裸」などなど、旅行をした経験が無い人が行くたくなる地域を核にして話を組み立てたのならば視聴率は取れたのだろう。

インドにあるバナラシだが、当のインド人でさえあまり行きたがらないような場所は一般日本人の感覚は学術的な探検のような、小難しい未知の世界を探るような。とにかく興味を持つのに敷居が高い場所を舞台にした事が視聴率の低さの原因であって、最初から運命付けられた失敗だったのだな。