二糖体に糖化した蒸し米(米麹)を水の中に入れ、酵母を加える。
これで酒作りの基礎が出来上がりだ。
この後、甘い米の汁を酵母が食べ、酵母は呼吸として炭酸ガスを出し、うんことしてアルコールを出し、分裂しながら酵母の固体を増やしていくのである。そして酵母が十分増えた段階を「酒母」と言う。
少し脱線する話で恐縮なのだが、
酵母は細菌の一種である。
人間に都合の良いうんこを出す菌の働きを「発酵」と言い、ペーハーは酸性を示す。
人間の都合の悪いうんこを出す菌の働きを「腐敗」と言い、ペーハーはアルカリを示す。
よく「加熱し菌は死んだから食べても大丈夫」というセリフを聞く。確かに、菌は加熱により死ぬが、細菌は生物であり、生物がいるところ「うんこ」が存在するのだ。それが酸性に働いたのか、アルカリ性に働いたかにより食あたりを引き起こすかどうかが決まるのだ。
話を元に戻し
この酒母に前回と同じように米麹と水と蒸し米をくわえ、再度寝かせる。これを「もろみ」と言い、これを蒸留したのが「泡盛」となる。
酵母は地域によって性格が大きく異なる。もろみを搾るだけで美味い酒になる酵母もあれば、もろみにくせがあり、搾りで飲むには不向きではあるが、蒸留により美味しくなるのもある。もろみをしぼるだけで美味い酒になる酵母は寒い地域であり、最南端は熊本県の津奈木町の亀萬酒造である。
それよりも南では搾りでの酒造りは無理であり、蒸留をする。
日本酒を蒸留したのが焼酎である。
鹿児島では日本酒は造れない。だから鹿児島の人は焼酎の事を「酒」と言う。
米焼酎と泡盛は乱暴な言い方をしたら同じ物とも言えるのだが、前回も書いたように酒は麹菌と酵母の組み合わせにより無限の味の広がりがある。そして、沖縄の菌と本土の菌の性格は異なり味も風味も異なる。それ由に焼酎は焼酎、泡盛は泡盛なのである。
もろみを寝かせるタンク
米を蒸すための袋。
もろみを蒸留して最初に出てきた度数60の泡盛だけが「花酒」と呼ばれる