仙台魔女ストーリーⅡ / 吉田村伝説の謎(10)終 | 小さな旅日記Ⅱ  / 源、住泰。(仙台市在住)。

小さな旅日記Ⅱ  / 源、住泰。(仙台市在住)。

みなさま、はじめまして・・・・ヤフーブログ終了に伴いこちらに移りました源 住泰(ペンネーム)です、国内の旅と心の旅などを紹介します、今後ともよろしくお願い申し上げます。令和元年8月27日。(ブログ愛称名:インターネットステーション泉中央)

 

 

         その10、、エピローグ(第2話完結)。

 

 

西日が眩しい午後6時30分、

仙台市内東卸町にある闇物流商事(株)の敷地内は現在、社長の金運帳と、

残っている手の者を合わせても16名となっていた。

現在、それぞれ手分けをして、倉庫内に隠してあった銃や大麻、その他の薬物を、

プラットホームから4tの箱トラックへと積み込み作業が行われている。

それは闇取引の、証拠隠滅と逃亡を企てていたのだ・・というのも13人の手下たちが、

ゾンビ関連の品々や資料を盗みに行ったきり連絡が途絶えてしまい、

さらに、闇取引の仲介をしていたスナック暗黒街の主人、岩松二郎とも、

連絡が取れない状況となっているのだ!

おかげで、吉田村方面に向かわせた手下を、すべて呼び戻らさざる負えなかった。

(おそらく彼らは今頃、警察の取り調べをうけているのだろう・・・・・・

いつまで、もちこらえられるのか?

一端、口をわってしまえば、闇取引の全品々、密輸ルートや、それに関わった人々や、

陳による、平伸之氏の殺害や、脱税など、いもずる式に表沙汰になってしまう!

・・・・急がねば!・・・・・・・・・それにしても陳のやつ、今頃になって殺害時に、

手の甲をひっかかれたことを言うなんて、・・・・、

・・・・まあいい・・・・口封じに殺されるとでも思ったのだろう・・・・)

運帳は、ちょうとショックだったが、いつまでも落ち込んではいられなかった。

「みんな急いでくれ!警察が今日、明日にも訪れるかもしれない!」。

運帳は激を飛ばし作業を急がせた。

 

 

運帳は手に持っていた地図の本を見ながらルートを確認!

これらの荷物は、一時的に南K国大使館に隠す予定だ。

その後、運帳らは、九州の辺りにある対馬に向かい、

密輸ルートの中継拠点に立ち寄った後、

仲間の案内で本国へ帰国の手はずになっている、

それは日本と南K国との国境線そばであることから、

日本政府も摩擦を恐れて、警備が手薄となっているのだ。

あとは、金運帳が政府系組織に雇われている社長にすぎないので、

別の者が東卸町へと来て業務を引き継ぐことになる。

結果、今回の事件は金運帳と、その手下どもが勝手にやったもので、

うちらはまったく、何も知らない・・・・ということで、とぼけ通すことになる!

(わしらは、結局捨て駒でしかなかったのか?!)

運長はそう思いながら、自分たちにとって最後の業務をこなしていた。

そして、午後7時、あたりは薄暗くなっていた。

そこへ陳文光が、「社長!」と声をかけて歩みよってきた。

「社長、荷物の積み込みおよび戸締り、すべて完了しました・・・・」。

「そうか・・!」

運帳は頷き、手下(従業員)を全員、自分の前に呼び出すと、最後の挨拶を行った。

「みな今日まで、本当にご苦労だった、ありがとう!今後のことは後で考えるとして、

今は、すぐにでもここを引き払う、いいな!」

「へい・・・・」

 

運帳と手下たちは、目の前にある4t箱トラックと5台のワゴン車に、

それぞれ足を運ばせた。

だがその時である!

どこからともなく白い煙幕が発生!

すぐに運帳ら16名を、包んでゆく・・・・・・。

「痛っ・・・・痛っ・・・・誰だ、俺にぶつかったのは??

こちらもだ・・・・痛っ・・・・いったい誰なんだ???

あっ、なななななーい、俺の拳銃とドスが!

うわっ・・・・こちらもだ・・・・この泥棒!

あっ・・・こっちもだ、俺の拳銃とドスがなーい!」

あっ・・・・こちらは、車のキーまで抜き取られている!

運帳らはすっかりと混乱していた。

一部には、知らずに仲間同士で、殴り合いをしている!

そしてゆるやかな風とともに、煙幕が徐々に払われてゆく・・・・・!

彼らが、懐にしまっていた武器や車のキーは、

すでにいずこへと消えていた!

 

だが、目の前に、謎の得体の知れない人物が姿を現していた!

「だれだ、お前らは??」運帳が叫んだ。

よく見ると、彼らの位置から東西南北に、ひとりずつ、

取り囲むように立っている、それはいったい何者なのか??

謎の黒い衣装に黒いマント、それに黒いとんがり帽子に、

ティアラを取り付けた‘ティアラハット‘、、、、。

ご存知、、仙子、、すず、、いずみ、、綾子である!

まず、すずが、左手の甲を顎にあてながら斜め目線で言葉を発し始めた。

「ウフフフフフフフ、、、、オーホホホホホホホ、、オーホホホホホホホ。

わざわざ法令違反の品々を、おあつらいむきに、

1ヶ所に集めてくれるなんて、手間が省けて好都合、間抜けで助かるわ!」。

「何っ!」。

運帳は思わず、すずの嘲笑うかのような物言いに、カチンときた!。

「お前ら、いったい何者だ!」。

今度は、仙子が、相手の問いに答えてゆく・・・・。

「私たちは、マジック界のミラクルエンジェル、仙台プリンセスシスター・・・・・、

またの名を、プリンセスラブリー刑事(デカ)!そしてこれが、お前たちへの逮捕状よ!」。

「何だと!・・・・」

仙子は、彼らに見やすいように、自身の右手に逮捕状を、

どこからともなく浮かび上がらせ突き付けた!

彼らは、思わず驚き、動揺したが、仙子はさらに話を続けた。

「お前たちの犯した、銃や大麻などの薬物の取引き、不法侵入、さらに脱税、

そして、陳文光による平伸之氏の殺害と、その後の関係者による死体遺棄など、

よくもこれだけ、多くの人々を巻き込み、被害を与えてくれたわね!

覚悟するがいい・・・・・天に代わって、お前たちを逮捕する!」

そう言うと、仙子は持っていた逮捕状を、唇のそばに近ずけ‘ふっ・・‘と

息を吹きかけて、スッといずこへと、消しさった。

 

「やろうども、こいつらは今、女4人だけだ!警察の応援が来る前に、

さっさと血祭りにあげ、ずらかるぞ!」

「ヘイ・・・・」運帳の激に、手下たち全員が、仙子たちに襲い掛かった。

女4人VS男16人、、、、本来ならば、仙子たちは魔力を使えば逮捕は、

簡単なのだが、彼女たちが仙人魔女だと世間にばれれば、

仙人魔法界全体の災いになる恐れがあるため、

今まで培った合気道で対応しなければならない!(第1話参照)。

彼女たちは、汗とともに必死になって、華奢な動きで相手の攻撃をかわす!。

そして相手の攻撃の隙をつき、ひとり、またひとりと、ねじ伏せてゆく・・・・!

それは、魔力なしでも、かなりの運動神経であることを示していた!

激闘の末、仙子が、社長の金運帳をねじ伏せて、

遂に、手錠をかけることに成功!、残りは、陳文光を含む2人だけとなった。

陳たちは、もはや敵わぬと見て、ゲートの外へと足を向けた!。

(しまった、逃げられた!)仙子たちは一瞬焦ったが、

ちょうどそこへ、20台のパトカーが到着、

2人は、汗だくとなり、かなり疲れていたこともあって、観念した!

そこへ上杉麗子と片倉刑事が車を下り、2人を発見!

麗子が陳文光にかけより手錠をかけると、

もう一人の男に、片倉刑事が手錠をかけた。

(グットタイミング、、陳文光に、手錠をかけられたわ!)

麗子は、この時、平文蔵との約束を果たせたことに、安堵の表情を浮かべた!

そしてそこへ、仙子たちも、ゲートを出て、2人を追ってきた。

仙子たちは逃げた2人が、すでに逮捕されているのを確認すると、

足を止め、安堵の表情を、浮かべた。

 

「麗子先生!」仙子と、いずみと、綾子は声をかけた!

麗子は仙子たちを見かけると、「みんな無事?」と、優しく迎えた。

「今日は、突然のことで本当にご苦労様、おかげで助かったわ!

偶然とはいえ、地震でゾンビの大群がでたのは、想定外だったの!

次回からは、もう大きな事件はないと思うから、

あたしとすずさんとでがんばるから、みんなは、勉学に励んでね!」

「はい、ありがとうございます、、お疲れ様です!」。

そう言うと仙子たちはホッと胸をなでおろした。

続けて、片倉刑事も仙子たちに歩み寄ると、軽く頭を下げた。

「お疲れ様、、今日はありがとう、、本当に助かッたよ!

また大きな事件があったら、よろしくね!」。

片倉刑事が、そう言うと仙子は今後の決意を述べた!

「はい、私たちでよろしければ、またお手伝いいたしますので、

何卒今後とも、よろしくお願いいたします・・」。

仙子の言葉に、片倉刑事は、「うん、じゃ頼むよ!」と言って、

麗子とともに容疑者を、車に乗せ署へと向かった。

闇物流商事(株)の敷地内も、仙子たちにねじ伏せられた容疑者たちが、

警察官によって次から次へと署へと連行され、証拠品も押収されている!。

(ようやく長い1日が終わったのだ!)、仙子は、大きく深呼吸をした。

その後、仙子、いずみ、綾子の3人はすずの車で帰りの帰路についた。

 

 

仙子たちは車内ですぐに魔法で、朝着ていた衣装に着替え直すと

ふと、今日の出来事を、振り返っていた。

「ねえ。仙子、片倉刑事にまた大きな事件があったら、

手伝うなんて言ってたみたいだけど、本当に手伝うの??」

いずみは、ふと仙子が本心で述べたのか、知りたくなった。

「まさかでしょ!今まで、過去に特命刑事が、受け持った中で、

大きな事件なんて1件もないわ!、今年は、いきなり、たまたま2件発生したけど、

それらは、まったくの偶然!片倉刑事には、悪いけど、

ちょっと愛嬌を振りまいただけなの、、、彼って真面目そうで、イケメンだしね!」

そう言うと、今度は綾子もニヤニヤしだした。

「実は、私も彼がイケメンなので、ちょっと見とれていたの?

彼、どんなタイプが好みかな?私に振り向いてくれないかな?」

綾子の言葉に今度はいずみが、言い放つ!

「無理無理、彼はきっと麗子さんに心を寄せているのよ・・・・」

3人はすっかりと片倉刑事をめぐっての恋のさや当てとなった。

 

だが、車を運転しているすずだけは、麗子に対して、ご機嫌斜めであった。

(あたしと、すずさんとでがんばるからですって!

ウフフフフフフフ、覚えてらっしゃい、

貴女の思い通りになると思ったら大間違いよ、

それにわかったでしょ、仙子たちを巻き込めば、かなり助かるって!

今後も、あたしの大切な手駒として手伝わせるわ!)。

すずは、転んでも、ただでは起きあがらないのであった!。

 

 

 

翌日、仙子は東北青葉高校のお昼の食事を終えた頃、

担任の上杉麗子が、急に仙子を呼びに来た。

「宮城杜さん、居る?・・・・」

「は~~い、麗子先生、どうなされましたか?」

「お客様が、尋ねてこられたの、職員室へ来て!」

麗子の言葉に「お客様って?・・・・誰なんだろう?」

仙子は、言われるままに、職員室の麗子のデスクまでくると、

そこには昨日お会いした、お笑い芸人であるタイムウオッチマンがいた。

 

 

「おう、、、、昨日は助かったよ、ありがとう!」

伊達ゆきおは、さばさばとした雰囲気でそう言うと、仙子の前で頭を下げた。

続けて脇にいる富谷たけるがいるのだが、こちらは切実そうな思いもあって、

仙子の左手を両手で軽く握ると、少し潤んだ瞳で、思っていることを打ち明けた。

「仙子ちゃん・・・・昨日は本当にありがとう、、おかげでこれからも伊達と仲良く

コンビを組んでゆける・・・・正直、伊達が死んだら、

俺はどうしようかと思っていたんだ!

伊達あっての俺なんだ、本当にありがとう、、このご恩は一生忘れない!」

富谷は感謝でいっぱいになり、深々と頭を下げた。

「あっ・・・・いえ、、ふたりが助かっただけで本当に良かったです」。

仙子は、二人の礼儀正しさに、思わず恐縮してしまった!。

(あの時、20人全員を眠らせたつもりだったのに、しっかりと見られていたのね!

それに、ふたりには、私には計り知れない人生の歴史と絆があったんだ!)

 

富谷が話し終えると、伊達はジャケットの内ポケットから封筒を、取り出した。

「仙子ちゃん、、この中は、2ヶ月後に行われる、俺たちも参加する真夏の夜の夢、

ライブチケットなんだ、昨日いた二人のもあわせ、3人分あるのでよろしければ、

見に来てくれ・・・・」伊達は、そう言うと丁寧に両手で封筒を仙子に手渡した。

そして、富谷からも、「貴女たちが来てくれるのを、心待ちにしている、

最高のパフォーマンスをするから、必ず来てよね!」

ふたりは軽く頭をさげた。

「ありがとうございます!必ず3人で伺いますので頑張ってください!」。

仙子も軽く頭を下げると、ふたりはそばで見守っている、麗子先生に一礼し、

さらに職員室の出入り口で軽く一礼すると、そのまま学校を後にした。

仙子は、二人の優しい人間味に触れ、心の底から感動が湧いてくるのだった。

そして今後のご活躍を祈らずには、おれなかったのである!

 

ふたりが帰って、そばにいた、担任の麗子は、

「今回は、あのふたりだから、仕方ないけど、今後は一般の方には

決して見られないように、頼むね!」

麗子の言葉に仙子は、ちょっと恐縮してしまったが、

ミスは、繰り返してはいけないと思った。

「はい!気をつけます、マジシャンらしくマジックでごまかします!」

「よろしい・・・・じゃ、後は教室に戻って!」

「はい!・・」。仙子は封筒を手に、教室に戻ったのであった。

 

 

 

仙子が教室に戻ると、麗子は自分のデスクの椅子に座り、ほおずえをついて

しばし、今回の事件を振り返っていた。

(今回は仙子たちを巻き込んだ,すずさんに、あとで、厳重注意を、

するつもりだったけど、結果的に巻き込んで、正解だったわ!

ゾンビたちは、ランダムではあるが、すべて元のさやにおさまった。

これは、ピンポイントで瞬間移動させられる、仙子でなければできないこと。

仙子は、去年の秋の文化祭における仙魔弓道部門の優勝者、、、、

それは、放った矢を瞬間移動させて的に当てるというもの!

今回のゾンビについても、うまく応用して事にあたってくれたわ。

 

思えば、瞬間移動(テレポーテーション)は、仙人魔法使いであるのなら

だれでもできるのだが、決められた所へ正確にできるのは仙人魔法界の

中でもあまり見かけない、例えば、ご自分の身体を、瞬間移動させて、

多くの方が数メートル、もしくは数十メートル、ポイントがずれて

着地してしまうので、多少ずれてもいいように、あらかじめ敷地の広い

場所へと、心がけるのだが、一部の者は、おかまいなしだ!

例えば、ビルや他人の家に、誤って着地して、あわてて他へと、瞬間移動したり、

あと、県内のSトンネルに誤って着地して、車にひかれそうになったり、

またそこで、別の者が、誤ってタクシーの中に着地してしまったりと、

慣れないことをするおかげで、すっかりと心霊スポットの噂が、広がってしまい、

日本政府や宮城県警や県知事からも、年20~30件もクレームが来ている!

私も同じ仙人魔法使いとして、本当に申し訳なく思うばかりだ!。

 

あと最後に、今回のゾンビに関して、闇物流商事(株)の13人が、

犠牲となってしまったわけだけど、気の毒だけど、A国の意向で、13人は、

ゾンビではなく新型コロナウイルス変異株によって亡くなったことにして、

焼却処分の後、南K国の政府を通して遺族に遺骨が手渡されることに

なっている、やはり国家がからんでいると、仕方ないわね!)。

 

麗子は、ふと窓の外が見たくなり、窓辺へと歩みよった。

2階から見下ろした、生徒たちの明るい笑顔と、微笑み。

戯れながらのやすらぐ姿を、見ているうちに、心地良さが広がった!。

麗子は、学園がのどかで、平和であることのありがたみを

感じずにはおれなかったのである!

 

 

 

 

・・・・・・<終わり>・・・・・・.

 

 

 

          <目次>

 

その1、、事件発生。

その2、、吉田村伝説の謎。

その3、、お笑い芸人 タイムウオッチマン。

その4、、ゾンビの血液!。

その5、、平 巫女(たいらのみこ)。

その6、、異変、ゾンビの大群現る!

その7、、絶体絶命の人々。

その8、、救いの女神。

その9、、大詰め。

その10、エピローグ(第2話完結)

 

 

 

 *主題歌*

    仙台魔女ストーリー~宮城杜仙子への想い~

               作詞、作曲、歌 / 源 住泰。

 

 

 

 

本日はここまでにいたしましょう。

それでは次回のインターネットステーション泉中央、小さな旅日記Ⅱをお楽しみに。。。。