その8、、電光石火、嵐のような逮捕劇。
10時55分、仙台中央駅の仙台大道芸祭は、
ここまで平穏な雰囲気で進められていた。
あと1時間あまりたつと爆破されようとしているのが信じられないくらいだ。
だけど多くの人々やペデストリアンデッキにいる鳩たちに恐れている様子はない。
もちろん何も知らないからなのかもしれないが、
事件が一気にかたずくのを第6感で感じとっていたのかもしれない。
捜査の方は仙子と仙観の使い魔である、ピコとカオスがもたらした、
情報をもとに、駅の防犯カメラや市内における主要な防犯カメラ、
役所のデータなどを調べ上げ、犯人も特定されすでに準備が整っていた。
まずは、11時の時報と同時に駅から西へ500メートルほど、
離れた所にある超高層ビル、セカンドタワー前に4t の箱トラックが、
工事業者をよそおおってきたのを、上杉麗子以下10人の私服警官が、
車から降りた3人に素知らぬふりをして近ずき、問答無用にいきなり逮捕、
反撃の機会を与えなかった、3人は刃物や拳銃を所持、
さらに車の中からはドローンと爆弾、ライフル銃、さらに横の連絡を、
絶つためにスマホなどの携帯も押収した、彼らはこのビルの関係者のひとりに、
賄賂をすでに贈っていたので、このあと屋上まで上り、
もしも1千万円が入らなかったらドローンに爆弾を積んで、
それを投下して駅を爆破しようとしていたのだ。
さらにこれと同じことがセカンドタワーから南へ200メートルほど、
行ったところにある超高層ビル、トラウマタワーでも同じことが起こった、
こちらは警視庁の鈴木刑事以下10名の私服警官によって行われ、
ここでも3名が逮捕されドローンや爆弾、武器類、
さらに横の連絡ができないようにスマホなどの携帯も押収した。
さらに仙台中央駅のロータリーでも似たようなことが起こった。
こちらも車の車種やナンバーがすでにわかっており、ワゴン車を、
降りた5人に、仙子、すず、いずみ、綾子が、さきほどマジックで使用した
魔女姿のまま10人の私服警官とともに、素知らぬふりをしてして、
近ずき、いきなり問答無用に逮捕し反撃の間を与えなかった。
そして拳銃、ライフル銃、そして横の連絡を絶つためにスマホなど
の携帯も押収した、ただ大きな黒いキャリーバッグからは、
12時30分に爆発予定の時限爆弾があった。
もちろんあらかじめ知ってはいたが、とりあえず万全をつくしバックを残して、
中の爆弾だけ魔法で瞬間移動させて、若林区にある自衛隊の
駐屯地に送り解体することにした。
ただしこの魔法は、、ピンポイントで決められた場所に正確に送るのを
得意とするのは、仙子だけだった・・・・仙子は、去年の秋の
文化祭における弓矢を瞬間移動させて的に当てる協議の
仙魔弓道部門の優勝者なのだ!仙子は警察官が準備した地図とパソコン画面に、
映った現地にいる爆弾処理班の様子を見つめながら精神集中し、
プリンセスステッキを黒いキャリーバッグに飾し呪文を唱え始めた。
「スプレンド・マンス・ホック・フリジテ・ツーイ・ボール・ボール・
ツーイ・フリジテ・ホック・マンス・スプレッド・・・・・」
次の瞬間、置いてあった黒いキャリーバックの重さが軽くなり、
見事に現地に届いたのだった。
これで仙台中央駅が、爆破されることはなくなった、これで11時ちょうどから、
11時10分のわずか10分の間に3か所同時に片ずいたのである。
また同じ時刻に仙観とカオスが仙台中央警察署を見張っていたC国の
諜報活動員2人を5人の私服警官とともに素知らぬふりをして近ずき、
不意をついて逮捕し、持っていた拳銃や刃物や横の連絡を絶つために、
スマホなどの携帯を押収した。
さらにこれと同じようなことが同じ時刻に各交番前でも行われたのだった。
そしてわずか10分間で逮捕されたC国の諜報活動員の数は、
なんと26人にのぼったのであった
午前11時20分、すでにC国の駐日大使は東京へと向かった頃、
2階コンコースステンドグラス前では仙台大道芸祭が休憩に入っていたが、
諜報活動員のリーダーの利孫明を含めた黒いスーツ姿の8人の男女たちは、
仲間からの連絡が一切ないことに焦りの色を浮かばせていた。
(おかしい?誰からも何の連絡もない!いったいどうしたというのだ)、
孫明たちは最悪の事態を予感した。
孫明たちはあたりを見渡した、だが今の所、警察官の姿はまだない、
だけど時間の問題だ、 孫明は覚悟を決めて手下たちに話をきりだした。
「どうやら、みな捕まったと見た方がいいのかもしれない、
ほどなくマッポがここへ来るだろう、本当はここで駅長を拉致して、
1千万円を受けとって逃げたかった、だがそんな暇はないようだ、
こうなれば方法はひとつ、、未久里お嬢様にUFOで迎えにきてもらい、
そのままC国に戻るより方法がない、いいか、このまま駅の屋上駐車場にでるぞ!」
そう言うと手下たちは「あにき・・・」と声をあげ表情は厳しくなった、それもそのはずだ、
もしも警察に捕まりよけいなことをしゃべれば家族や親戚たちが皆殺しにあうのだ、
なんとしても逃げ切らねばならない。
孫明たち8人は急ぎ駅の隣のパスカルデパートの
エレベーターを経由して駅の屋上駐車場にでた。
時刻は11時27分、孫明は周未久里にスマホで連絡をとった。
「お嬢様、あっしです、駅に関する秘密や仙人魔法使いの存在に関しては、
何も見つかりませんでした、あとすぐUFOをこちらにまわしてください、
どうやら手下どもがみんな捕まりもう、あっしら8名だけとなってしまったようです、
お願いしやす、このとおりです!」男の言葉に、未久里は一瞬、
言葉に詰まってしまった。
だが、こうしても仕方ないので、未久里は現在とても、
厳しい状況におかれていることを話始めた。
「迎えに行きたいのはやまやまなんだけど我が国の衛星からの情報によると、
仙台中央駅の上空にはすでに自衛隊の飛行機やヘリコプターや、
警察のヘリコプターなどがどういうわけか待ち構えていてどうにもならないのよ、
だからなんとか別の方法で逃げて!」その言葉に 孫明は愕然とした、
あまりにも警察の動きが的確で無駄がないのだ、
こちらの手の内が筒抜けになっているとしか考えられない、
ふつう爆弾に関しても万一に備え3の矢まで整えればひとつがだめでも
残りが生きてくる、ところが、3の矢まですべて見事に封じられており、
まさに神業としか言いようがない、まるで本当に仙人魔法使いがいるとしか思えない。
孫明は「わかりやした、なんとかみなをつれて逃げ切りやす」と、
未久里に伝えると通信を切った。
利孫明は手下の者たちに「みんなばらばらに逃げよう、
ひとつに固まっていたら確実に捕まる」
そう言うと手下たちはなんとも残念な表情で頷くのだった。
その時である、どこからともなく白い煙幕が8人を包みこみ、
だれともわからない体と体がぶつかった。
「いてっ、何者だ!・・・・あっ泥棒!俺の拳銃と、ドス返せ!」
「あっ俺もだ!待てこの野郎!」、
「あっ・・私の武器もだ・・」!
孫明たち8人はそれぞれ叫んだが、気ずいた時には
所持していた拳銃や刃物などの武器が抜き取られ、どこかへ消えていた。
そして白い煙幕がゆっくりと風に流されたあとには、
黒いマントに黒いティアラハットをかぶった4人の魔女の姿をした美少女がいた。
ご存知、仙子、すず、いずみ、綾子である。
「お前ら、いったい何者だ!」 リーダーの孫明が叫ぶと仙子は答えた。
「私たちはマジック界のミラクルエンジェル、
仙台プリンセスシスター、またの名をプリンせス、ラブリー刑事(デカ)!」。
「なんだと!」リーダーの孫明は驚いたが仙子は続けて言い放った。
「仙台中央駅を爆破しようとするC国の犬ども、覚悟するがいい・・・・
天に代わってお前たちを逮捕する」!。
この瞬間、孫明にとって選択肢は、もはやひとつしか思いつかなかった。
(他に誰もいない、ならば・・・・)。
「かまわん、やっちまえ!」。
利孫明たちは、仙子たちがわずか4人だけだと知ると襲いかかった。
だが仙子たちは魔力を使わずとも過去に合気道を、
授業で習ったことがあることから、決してひけをとらない。
相手のわずかな隙をついて、技をくりだしてゆく!
5分後、激闘の末にようやく容疑者たちをねじふせ、
逮捕へとこぎつけたのである。
・・・・・・次回へ続く・・・・・・。