今回は僕がお薦めの書籍を紹介したいと思います。
僕は本が大好きです!(もちろん電子書籍化したものも大好きです)
特に歴史・軍事(戦争史・戦争論)・文化人類学・芸術(これは専門)と言った方面に偏りがありますが………。
(忘れてましたが、マンガはジャンルを問わず大好き)。
今日はそんな僕が好きな中の更に好きな一冊を無理矢理に紹介したいと思います。
その一冊とは宮城谷昌光先生著書の`侠骨記`なる書籍です。
宮城谷先生と言えば「晏子」や「重耳」、「孟嘗君」といった中国・古代に生きた実在の賢人を主人公に据えた著作で有名な方だと認識しています。
そんな先生の作品の中でも僕が最も気に入って、何度も読み返した著書が`侠骨記`であり、更に言えばこの著書は短篇集であり、僕はその中に収められている一遍「買われた宰相」にゾッコンなのです。
「買われた宰相」の主人公は春秋時代に実在した百里奚という人物なのですが、彼は後に秦の名宰相と呼ばれ、歴史の1ページに名を残します(彼の名は司馬遷の史記にも登場し、間違いなく実在の人物であったことが伺えます)。
しかし春秋時代と言えば紀元前であり、百里奚に関する記録もほとんどありません。そんな中で著者の宮城谷先生は情報の断片を繋ぎ合わせ、百里奚という人物を現代に甦えらせたのです。
(本当に宮城谷先生は凄いとしか言いようがありません)。
さて本書の概要はと言えば、主人公の百里奚(ひゃくりけい)が斉人の蹇叔(けんしゅく)に助けられ、その後親友となり当時の中国大陸に割拠する国々を周りながら士官の道を求めて旅をするというお話し……
ところが幾十年も士官の旅を続けた百里奚はやがて疲れ果て蹇叔の諫言も聞かず、ついには蹇叔と別れ虞の国の大夫として士官してしまいます。
しかし、この虞の国は普(当時の大国)に滅ぼされてしまい、百里奚はついには召使いとして秦の国にやられてしまうのです。
しかし時の秦王・穆公は百里奚の見識と徳の政治論に深く感銘を受け後に彼を秦の宰相に用いるのです。
…彼が宰相になったのは90歳を超えていたと考えられ、彼の辛酸を味わい続けた人生がその終盤では見事に報われるという、何とも気持ちのよい物語なのです。
…また、彼は途中まで苦楽を共にした大親友・蹇叔のことも決して忘れておらず、彼を秦に迎え上大夫として共に秦の発展に尽くしていくという心温まる友情もそこにあるのですよ!。
とにかく、とても`頑張ろう`という気にさせる1冊「侠骨記」は一読に値すると思います。(もし、よければ書店でお買い求めを)。
おしまい