お次は、女性ヴォーカル&ギターと男性ドラムのふたりから成るバンド、ユリシー ズ。
ムーンドッグのオープニングSEに導かれて、客席からふらふらっと登場。本日ド ラム・セットの準備ができなかったため、ドラマーの彼は、スネア・ドラムひとつ抱 えて、あとは椅子やスネアのケースなどを叩くという、原始的演奏方法。だが、これ はこれで目茶面白かったし、雰囲気にも合っていた。
ユリシーズのサウンドは、ほと んど崩壊寸前のところでなんとか形としてとどまっているギリギリのロック、という 感じの音楽だ。彼女の口から発せられるのは、旋律であり、祈りであり、独り言であ り、ただの声でもある。
歌が生まれる、まさにその瞬間を見ている思いだった。
