今は日帰り手術らしい?

従来の外科手術は地獄?
包帯を引き抜く痛み?
外科手術の後遺症?
自分は歯が原因だった?
従来の外科手術を勧められたら?


岸田総理が蓄膿(副鼻腔炎)の日帰り手術をした事がニュースになったが、自分も7年程前に副鼻腔炎になり、外科手術をした経験がある。


副鼻腔炎は頭蓋骨の上顎洞(空洞部分)に膿が溜まり、臭くて黄色い鼻水が出たり、頭が重くなったりと何をするにも集中出来ない病気だ。


忙しい総理であれば、一刻も早く治したい病気なので、手術をした事は理解出来る。



驚いたのは、副鼻腔炎の手術が内視鏡による日帰り手術で、行われた事だ。

自分が手術を受けた当時、内視鏡手術は存在していたが、当時の埼玉医大では従来通りの外科手術が行われた。

従来の外科手術は地獄?
自分は埼玉の片田舎に住み、手術は街医者から紹介された埼玉医大の口腔外科で外科手術を受けるしか方法が無かった。


術式は上唇の内側を切開して、頬骨に穴を開け、上顎洞の中の膿を掻き出し、細長く切った包帯を丸めて詰め込み、鼻の中に開けた穴から端を鼻の外へ出しておくという中世の拷問の様な手術だった。


上顎洞に通じる鼻の中には今でも穴が開いているが、穴を開ける理由は、通気を良くする事で細菌が繁殖するのを防止する事らしい。


この手術は外科手術なので、術後は顔が殴られた様に大きく腫れあがり、鼻からは包帯が覗いている憐れな状態だった。

病院内の売店に行けば腫れあがった顔をジロジロ見られ、とても恥ずかしい思いをしたものだ。
しかし、地獄の始まりは包帯を抜く時だった。

包帯を引き抜く痛み?
上顎洞内に詰められ、鼻の中に開けた穴から出ている包帯を1週間後に、ズズズと引き抜くのだが、穴を開けた傷口から包帯を引き抜く為、痛みが半端では無い。

しかも大学病院という事もあり、経験の為、自分もやってみたいと新人の医師が包帯を引き抜こうとする。包帯は長く、約1M近くあるので、祈る思いで我慢したのを覚えている。

外科手術の後遺症?
手術後、副鼻腔炎は再発していないが、風邪をひくと少し、蓄膿に近い症状が出る事がある。


後遺症としては、上唇を切開した時に強く神経を圧迫したらしく、術後2年程は上唇の痺れが続いたが、今は完治した。


しかし、嗅覚は鈍感になり、食べ物の匂い等が、よく分からなくなったのが今でも続いている。

自分は歯性上顎洞炎だった?
自分の場合の副鼻腔炎は歯の根の細菌が原因で、上顎洞に膿が溜まる「歯性上顎洞炎」だった。


上顎洞には、上の奥歯の根本が突き出ている。簡単に上の奥歯を抜いてはいけないのはその為だ。決して、自分で上の奥歯を抜いてはいけない。


自分の場合は、虫歯の神経治療の際、歯の根に菌が上顎洞にまで達してしまったのが原因らしい。その為、歯科との連携手術が必要であり担当は口腔外科だったが、歯が原因でなければ、耳鼻科担当だったに違いない。



歯性上顎洞炎は、上顎洞炎の10~30%を占めるとも言われ、良い歯医者を見つける事が大事だ。「歯は万病のもと」とも言われているので、日頃の歯のメンテナンスを大事にして欲しい。

従来の外科手術を勧められたら?
経験として、副鼻腔の市販薬があるが、どれも効休めで効いた事はなかった。


副鼻腔炎は溜まった膿を掻き出さない限り完治しないと思った方が良い。


従来の手術では、顔が腫れあがり、鼻から包帯が出る状態なので、総理大臣が簡単に受けられる手術では無かったが、今は患者に負担のかからない内視鏡手術が主流になりつつある。


もし、貴方が副鼻炎で手術を考えてるなら、負担の掛からない内視鏡手術が出来る病院を選んだ方が良い。

大学病院だからと言って内視鏡手術が出来るとは限らない。なぜなら、大学病院の教授は自分が経験があり、自信のある術式を勧めてくるからだ。


もし、従来の外科手術を勧められたら、「内視鏡手術を希望している」とハッキリ告げた方が良い。

経験者として、患者負担の少ない
内視鏡手術がお勧めだ。