7月3日午前10時半ごろ発生した「熱海土石流災害」では多くの尊い人命が奪われ、周辺に甚大な被害が発生した。
7月6日現在、7人の死亡が確認され、行方不明者は27人にのぼり、自衛隊、警察、消防が1100人体制で懸命に救助活動を行っているようだ。川勝平太静岡県知事は「天変地異の天災の新しい形」などと呑気なことを言って、早々に「人災」の否定を行っている。
今回の崩落の起点から西側に20〜30m離れた所に太陽光発電施設があるのだが、大手メディアの記事では、「盛り土崩落」「産廃投棄」「宅地開発」の話題がほとんどで、「太陽光発電」開発による保水力低下の検証が出てこない。
加えて現場写真でも太陽光発電のパネルがトリミングされたり、ぼかされたり、意図的とも感じられる。
約一月前の6月8日付読売新聞オンライン「【独自】太陽光発電の目標上積み、原発20基分相当…環境省」では「温室効果ガスの削減に向け、環境省は2030年度の太陽光発電の導入目標に約2000万キロ・ワット分を積み増す方針を決めた。原子力発電所20基分に相当する。」という記事がでていた。
太陽光、風力など自然エネルギーを推進する意見の多くは、「地球温暖化」「反原発」の決め手であるかのように誇らしげに語る。
地球温暖化に至っては大半の論拠が大きく崩れ、まさに「ポリティカル・サイエンス」と化している。まるでアタナシウス・キルヒャーの時代のように、科学と神学(現代では「思想」)をゴッタ煮にして、同一に論じているようだ。
太陽光発電は確立した技術ではなく、いまだ発展途上の技術であることを知らなかればならないだろう。今後乗り越えなければならない主な課題は以下の通り。
- 【変換効率の改善】
エネルギー変換効率(現在平均5%以下)の技術的な大幅改善 - 【生産コストの低減】
光電素材を含めた技術(効率、製造)の発明、発見、実用化 - 【蓄電技術の改良】
不安定な発電を平均化する技術(安定化、蓄電コスト低減)の改良
現状では太陽光発電には大きな壁が立ちふさがっていて、科学的なブレークスルーが待たれる。電気自動車の技術も同様だが、マスコミなど非科学的願望が先行した結果が生んだ悲劇(喜劇)といえる。
平成21年(2009年)11月1日に民主党政権下で始まった固定価格買い取り制度によって、政治家、官僚、産業界の利権構造が定着した。
現状では、ポリシリコン(多結晶シリコン)は精製過程で大量の電力を必要とする上、廃棄される不純物が環境問題となり、中共(CCP)が世界シェアの7割以上(資源エネルギー庁「エネルギー白書」より)を占め、中でもジェノサイドが疑われている新疆ウィグルでその半数が生産されているようだ。
日本では再生可能エネルギーのコストを電力消費者に転嫁している。本来は光電素子、蓄電池などの科学技術の進捗を待つべきだろう。
太陽光発電の詳細データは、2017年01月03日「まやかしの太陽光発電」、2018年07月21日「発電効率が低下する真夏の太陽」をご覧ください。