※Yahooからアメブロに引越して<2016年08月21日10時21分19秒>に作成した記事の不具合を修正しての再投稿です。

 
添田唖蝉坊
添田啞蟬坊
明治末期から昭和初期に活躍した演歌師の添田唖蝉坊そえだあぜんぼうですが、ダイナマイト節で評判になり、まっくろけ節、ノンキ節、ゲンコツ節などが庶民の間で歌われた。
 
平民新聞の堺利彦の依頼を受け、「ラッパ節」の改作である「社会党喇叭節」を作詞。日本社会党の結成とともにその評議員になるなどした。そして彼の「社会党喇叭節」は、社会主義伝道のために使われた。
 
今風にいえば、左傾化したタレントさんと云ったところかも知れない。言換えれば社会主義者に利用されていたとも考えられる。
 
その一方で、「どうせ浮世うきよ出鱈目でたらめだ」というのが口癖があった。添田唖蝉坊の様々な歌詞を見れば、芸人や歌手に有りがちな「純粋な反骨精神」だけで、特定のイデオロギー色は感じられない。
 

 
曲はヘンリ・クレイ・ワークによって作曲された「ジョージア行進曲」(Marching Through Georgia)が使われた。このメロディは、当時、救世軍などの街宣演奏に使われていたようだ。
 
Marching Through Georgia  ジョージア行進曲 - yoshihoshi11さん
https://www.youtube.com/embed/eaDm5u4Hb9E
 
社会主義冬の時代に生活費を稼ぐため設立された「売文社」に、親の影響で勤めていた息子の添田知道(添田さつき)は、ジョージア行進曲のメロディに19歳で、世相や情景を織り込んで「東京節」の歌詞を付けた。1918年(大正7年)に発表するとちまたに「パイのパイのパイ」が流行した。
 
添田さつき・平和節 / 土取利行(唄・演奏) - ototatchinuru18さん
https://www.youtube.com/embed/h8fSuLG7S_0
 
添田唖蝉坊と添田さつきは、一見、社会主義者のように言われがちだが、世相や人物を風刺することで、思想の左右に関わらず「浮世うきよ出鱈目でたらめ」精神で批判を加えていたようだ。これこそ我が国の国益を考えた、日本人の真骨頂と言えるのかも知れない。
 
東京節に続いて、新しい歌詞を付けた「平和節」をベースにして、現代に合わせた歌詞を付けてみました。
 
到底及びもつかないが、添田さつきなら、現代の世相を見て、こんな歌詞を付けるかな…と想像してみました。
 
平和ぼけ節

原曲 ヘンリ・クレイ・ワーク「Marching Through Georgia」
編曲 添田さつき
改竄 南風亭四局
 
  1. めでたい めでたい おめでたい。
    憲法九条で、おめでたい。
    軍隊のない国、おめでたい。
    君が代ダンマリ、国旗ダメ。
    いざ祝へ みんな祝へ。
    お花畑で おめでたい。
    日本が一番おめでたい。
    アメリカさんの憲法で、
    パイノ、パイノ、パイ 。
    チョウチョもヒラヒラ、
    フライ、フライ、フライ。

     
  2. 日本の平和は、どうなるか。
    烏合うごうしゅうが、集まって。
    国会開きて、駄々だだこねる。
    スッカリ国民、そっちのけ。
    テレビ映りに、人気取り。
    上げ足、大声おおごえ、忙しや。
    餓鬼がきのケンカじゃあるまいし。
    代議士サンは欲張リ、
    パイノ、パイノ、パイ 。
    票読み、ばっかり、
    フライ、フライ、フライ。

     
  3. 世界の平和は、どうなるか。
    国益こくえきどうしの、だまし合い。
    勝ち組、常任、理事国へ、
    ドサクサまぎれに、手をげて、
    ゆすり、たかりに、おねだりで、
    権利もないのに、すり替わる。
    ちゃっかり居座いすわり、知らんり。
    ナンチャッテの、戦勝国せんしょうこく
    パイノ、パイノ、パイ 。
    被害者、ビジネス。
    フライ、フライ、フライ。

     
  4. 平和、平和と、となえても。
    くその役にも、立ちゃしねェ。
    気を許してたら、攻め込まれ。
    誰かが助けて、くれるやら。
    他人のふんどし、相撲すもう取り、
    かぎをかけるの、忘れたら。
    身ぐるみがされ、手遅れだ。
    ラメちゃんたらギッチョンチョンで。
    パイノ、パイノ、パイ 。
    パリコとバナナで。
    フライ、フライ、フライ。
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添田さつきは、実演があまり得意でなかったようで、喜劇王の榎本健一(エノケン)などが浅草オペラで取り上げた。
 
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