5月28日、大韓体育会が東京五輪組織委員会に2020東京オリンピックで「旭日旗の使用禁止」を要求した・・・と伝わった。そもそも、第二次世界大戦の対戦国から旭日旗を「戦犯旗」と言われた経緯はなく、加えて日本が韓国と戦争した事実も全くない。
A "war" is the WWII (Second World War) by this page.
冷静に歴史の事実を検証すれば明々白々なのだが、わずかながら日本人の中にも韓国の主張に同調する人もいるようだ。

奇誠庸
カメラ前で猿真似をする奇誠庸選手
元々、AFC(アジアサッカー連盟)アジアカップ2011の準決勝日韓戦で、韓国の奇誠庸(キ・ソンヨン)選手が、カメラ前で日本人を侮辱する猿真似した事を公式に注意された。
その言い訳に「旭日旗見えた」と言った事が韓国報道で取上げられ、韓国内で旭日旗騒動は広がった。
実際、この試合映像を検証したネット・ユーザーが画像を検証して、「旭日旗は見つからなかった」と云う声もあがっていた。
This turmoil has started with excuse to
Haight of Japan by a soccer game in 2011.
東北大震災への揶揄や、竹島の領有権プラカードの件も同様だが、そもそも「スポーツに政治を持ち込まない」と云う基本的な概念が「旭日旗」にすり替えられてしまった。
韓国の奇誠庸(キ・ソンヨン)選手の発言に、反日活動を生業とする、誠信女子大学校客員教授の徐敬徳(ソ・ギョンドク)氏がこの旭日旗騒動に火を点けた。

彼はナチスドイツの鉤十字(Hakenkreuz)と同じだと言出し、韓国内では「戦犯旗」と云うレッテル貼りが定着していった。

旭日旗=鉤十字を流布した徐敬徳
こうした韓国の動きに、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞などが、彼等に同調する一部日本人の意見を大々的に取り上げた。
徐敬徳(ソ・ギョンドク)氏は、日本国内での炎上を狙っているとの声もあるので、あまり取上げる必要もないのだろうが、少なくとも日本人は、この騒動を改めて正確に知っておくべきだろうと思った次第だ。
  そもそも「戦犯旗」をWikipediaで参照すると「2012年ごろに韓国で作り出された新造語で戦争犯罪者の略称に「旗」を合わせた単語」とある。
また「法的・学術的な根拠を有する概念ではなく、2018年の時点では日韓の学術論文で用いられた例は存在しない」ともある。
The word of "War Criminal Symbol"
was created in 2012.
マスコミが使う「従軍慰安婦」、「性奴隷」(sex slave)などの言葉と同様に、「戦犯旗」は特定の政治的な目的を持って、戦後に作られた新造語なのである。

では徐敬徳(ソ・ギョンドク)氏の主張する「旭日旗鉤十字(Hakenkreuz)」について、順序立てて分析してみよう。
国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)の党旗であったハーケンクロイツは、第二次世界大戦前の1933年に国旗になった。
一方、日本の国旗は白地に赤い丸の「日章旗」だが、大化元年(645年)頃から脈々と使われてきた。また旭日旗も江戸時代には「祝い」として使われて、明治時代初期に日本の軍旗にもなった。
150年以上の長きに渡って豊漁、出産などの慶事にだけでなく社旗や広告にまで使われてきたのが「旭日旗」や「旭日模様」なのである。
福神江の嶋もうて
浮世絵「福神」(落合芳幾、1869年)
旭日旗が国旗になった事は只の一度もない。しかし日本人へのヘイト・クライムは、国外勢力だけではない。むしろこの機に乗じて日本人の中に外国勢力を焚きつける人々も見逃せないのだ。
Why "Japanese liberalist" is the anti-Japan ?

ナチス・ドイツの鉤十字(Hakenkreuz)と対比するのであれば、日本では一国一政党を目指した「大政翼賛会」の党旗がこれにあたる。
鉤十字(Hakenkreuz)
ナチス・ドイツの鉤十字(Hakenkreuz)
  イコール  
大政翼賛会の党旗
The close Symbol as a flag of the Nazis was equal to
a Japanese Taisei Yokusankai" flag.
戦争を知らない世代は、深い意味も理解する事もなく、国旗掲揚、君が代斉唱に抵抗を覚え、旭日旗への憧憬も薄れてしまった。しかし多くの日本人は、違和感を感じていた事も事実であった。

ところで軍旗であった旭日旗に対比する、当時のナチス・ドイツではどの様な旗だったのだろうか。
1813年にプロイセン王国フリードリヒ・ヴィルヘルム3世によって制定された鉄十字(黒十字)はドイツ帝国を経て、ナチス・ドイツ軍でも使用されていた。
>鉄十字(黒十字)
ナチス・ドイツ軍の黒十字と鉄十字
  イコール   海軍軍旗
日本帝国海軍の軍艦旗
"Flag of the Rising Sun" is used up to now the 19th century like a German vexillum of "iron cross".
一方、旭日旗は、明治2年(1870年)に大日本帝国陸軍の陸軍御国旗(軍旗)として初めて使用され、明治22年(1889年)に大日本帝国海軍の軍艦旗としても採用された旭日旗が、国旗になった歴史はまったくない
"Flag of the Rising Sun" was never used for a national flag.

ドイツ軍の鉄十字、自衛隊の旭日旗について、現在の軍旗はどの様に使われているのだろうか。
鉤十字(ハーケンクロイツ)が禁止されているドイツでも、鉄十字と黒十字は正式な記章に採用されている。
昭和29年(1954年)6月、陸上自衛隊では旧陸軍時代の軍旗を元に考案された八条旭日旗の「自衛隊旗」が、同じく同年発足の海上自衛隊では旧海軍時代の軍艦旗と同じ意匠の「自衛艦旗」が採用され、旭日旗の使用が復活した。
第二次世界大戦の敗戦国であったドイツ、日本の何れも、全世界から軍章、軍旗として認められているからだ。まして軍旗を「戦犯旗」などと呼ぶ国は見当たらないのではないか。
独軍ユーロファイタータイフーン
独軍ユーロファイタータイフーンの鉄十字
Iron cross of a Euro fighter typhoon
 
ウラジオストク入港中の海上自衛隊 艦隊旗
JMSDF during Vladivostok arriving in port

独軍レオパルド戦車の黒十字
Black cross of Leopard 2
 
シャンゼリゼ通りを行進する陸上自衛隊 連隊旗
JGSDF marching the Champs Elysées
その他、両国民を始め一般人に広く定着している様子は以下の通り。特には旭日模様は江戸時代後期から「縁起物」の紋様として、日本人の生活に密着してしている。

ドイツのサッカー場で振られる鉄十字
 
スペインのアトレティコ・マドリードの旭日旗
甲子園球場の始球式
甲子園球場の始球式
 
水野染工場の大漁旗
結論としては、少し歴史を紐解けば、誰にでも理解できる問題であった。ナチス・ドイツの鉤十字(Hakenkreuz)は党旗であったものが国旗となり、旭日旗は只の一度でも国旗であった事はない。
旭日旗騒動は、リベラルを気取る日本国内の議員、官僚、学者、マスコミが拗らせた典型だとも云えよう。第二次世界大戦の開直前から戦意高揚を図った昭和研究会新体制運動に、積極的に加担した事を覆い隠す目的で、戦後の歪んだリベラルの自己弁護が生み出した珍現象とも云える。
言い方を換えれば、責任を取れない彼等の自己弁護の為に、「軍人」特に「陸軍」をスケープゴートにする必要があったとも云えるだろう。
The people of a political authority who incited
strife heart uplift before a war.
And Soviet and China fitted into communists
spokesman after a war.
The military personnel who did loyalty for the people
were buried as the scapegoat.
一方、小学校の教育から洗脳された韓国の国民はこうした事実を知っても治まらないだろうが、結局は初代大統領になった李承晩が作り出した建国神話を清算しないと、まともな国際関係は築けないのだろう・・・と感じる。
I think Korean people has to investigate
a "myth of the founding country"
why was distorted by Syngman Rhee.
When not ending your fake stories,
you must stray into the more deeper maze.
遅れ馳せながら、日本政府が公式見解を発表した。早い時期(2011年頃)に発表しておけば、大騒ぎにならずに済んだのだろうが…。

Japanese Government announced an official view.
外務省 旭日旗について
  日本文化としての旭日旗<日本語版>
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000481575.pdf
MOFA The Rising Sun Flag As Part Of Japanese Culture<英語版>
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000481576.pdf