「PR(Public Relations)」は日本語で「広報」と訳されるが、一般には日本語でPRというと宣伝広告などのみをさすことが多いように思われる。しかし実際には言葉通り、公衆(Public)と関係(Relation)を築くことがPRなので、正確にはもっと広義である。この場合の「公衆」とは株主、取引会社、顧客、消費者、社員、政府、メディアなどあらゆるステーク・ホールダーが含まれると言える。すなわち宣伝広告は、顧客や消費者に対する情報発信=PRであり、それ以外にも投資家情報、社内報、ホームページ、プレス・リリースなどもPRである。

ITが発達した今日、広報のあり方も変わってきている。ソーシャルネットワーク(Mixi、Twitter、Facebookなど)を上手に使えば、公衆に安価で簡単にタイムリーな情報発信ができる時代になったとも言える。

JHKは前述の通り、Facebookで活動を始めた。周りの年配者(失礼!)には「新しい形のボランティア」とびっくりされたが、海外在住の40歳代位(?)までの日本人は軒並み皆Facebookのアカウントを持っている。だからこそ1晩で100人のグループメンバーに膨れ上がったとも言える。今振り返ってみれば、JHK設立メンバーにとって当たり前の便利なツールがFacebookだっただけの話で、別に現代版の効率的PRを狙ってFacebookを始めた訳ではない。

実際にFacebookではグループを作り、まずはJHK設立の趣旨に同意して協力してもらえるメンバーを募集した。最終的にはこのグループページをJHKの内部コミュニケーションに使用した。ただこれでは内部の会話が丸見えになってしまって、外部への情報発信には不向きであることから、外部用はファンページ(http://www.facebook.com/JapanHelpenKan)を作った。

さらにTwitterアカウントも作成しFacebookと連動させ、JHKの親善大使とも言えるフォロワー(Twitterアカウントをリンクさせること)の多いソーシャルネットワークのプロ数人にお願いしてJHKのツィート(つぶやき)をリツィート(JHKのつぶやきをそのまま親善大使につぶやいてもらうことで、親善大使のフォロワーにつぶやきが伝わる仕組みのこと)してもらった。これだけで数千人に一気に情報発信ができる仕組みになった。

そして最後の仕上げはホームページの作成だった。これだけは素人には手が出せない。とはいえそこにかけるお金も時間もない。そこで、仮ページは学生にお願いしてとりあえずその場しのぎの物を作ってもらい、その間ウェッブ作成のプロをTwitterで募集(勿論、ボランティアで!)、その日のうちに手を上げてくれた人にお願いして今のサイト(http://www.japanhelpenkan.nl/)が出来上がった。

大まかな仕組みはこんな感じだった。では次に詳細を見ていきたいと思う。