Economyは「経済」と訳されます。「世の中をおさめ、民を救う」という意味の「経世済民」を短くしたものが「経済」です。

「世の中をおさめ…」なんていわれると、それを勉強する経済学は大変にえらい学問なんだなぁと思ってしまいます。でも、もともとはもっとスケールのちいさい話だったんです。

語源を紐解くと、古代ギリシャ語のoikonomia(オイコノミア)にたどり着きます。この単語はさらに、oikosとnemeinに分けることができます。oikosは「家」という意味で、nemeinは「管理」という意味です。

つまりoikonomia(=economy)の本来の意味は“Household management”なのです。この「家のマネージメント」を考えることは当時のギリシャの人々にとって非常に大切なことでした。

当時はひとつの家庭に数十人がともに生活していました。十数人でなく、数十人です。そのうちの多くは奴隷として働いていました。こんなに多いと常に家庭崩壊の危機にありますから、家の主にとって「どうやって家庭を上手くマネージメントすべきか」というのは非常に重要な問題だったのです。

そのうち都市国家が発達してくると「この都市(polis)を一つの家と見立ててマネージメントをしていこう」となっていきます。それが “Political Economy” と呼ばれるものです。「ポリスの(political)マネージメント」です。スケールがひとつひとつの「家」から「世の中」に変わったもの、それがPolitical Economyで、「経済」という訳語がきちんとはまるのはこちらの方なのです。