'make'には使役動詞としての役割もある。
 
Her beauty made me fall in love with her at first sight.
(あまりの美しさに、彼女に一目ぼれした)。

この使い方の出所については納得できる説明がある。
一般的なmakeの意味は「つくる」である。(I made the chair:私はその椅子をつくった)

材料を示すときはofを用いる。(I made the chair of wood:木でその椅子をつくった)
つまり'wood'を使って'the chair'をつくった、ということである。

語順を無理にかえれば、'I made wood the chair.'となる。
このとき椅子という「もの」をつくるために、材料としてwoodが用いられていることを示している。

使役表現はこの材料を「ひと」にまで拡大して、つかわれるようになったものである。
では、He made me go. という文について考えてみる。

この文において'go'という「こと」の材料はなんであろうか。'me'である。
つまり「私」を材料として「いくこと」を生じさせているのであり、その製作者は'He'なのである。

「彼」が「わたし」を使って「いくこと」をつくるのであり、訳としては「(かれは)私にいかせた」となる。

'She made me sad.'という文についてもおなじことがいえる。