みなさん、こんにちは。

中国の温家宝首相と李明博大統領が来日して、被災地も回るそうですが、今日はその温家宝の身になって彼の狙いを考えて見ましょう。


実は温家宝、最近国家主席の胡錦涛とちょっと関係がよくないようなんです。詳細はいずれメルマガでお知らせしたいと思いますが、実は解放軍とも睨み合い中。

温家宝が「公民の尊厳」を謳えば、解放軍幹部が「尊厳でミサイルが防げるのか」と反論したりもしていますし、何より解放軍の八割以上は、胡錦涛や温家宝の青年団派と対立姿勢を見せている太子党です。

但し、様々な情報を総合判断すると、民衆からはワリと人気があるように感じられます。

と言うのも、人脈がなくて中華社会の勝ち組に入れない貧困層は、世襲制で中華社会を牛耳ろうとする太子党とは反発しやすいし、かといって青年団派がいいかと言うと、現在の混沌社会を作り出した党のトップは胡錦涛。

その点、温家宝はたたき上げの青年団派で、とつぜん公園で民衆と一緒に太極拳をしてみたり、四川大地震でもいち早く被災地を訪れ、避難民に涙を流し励ましています。

温家宝は、笑顔もパフォーマンスも№2という立場も、民衆受けの基礎的要因を持ち合わせています。

さて、その中国№2が来日。
菅首相は日本の風評被害の回復を第一に訴えていく予定だそうですが、温家宝はこれにどう応えるのか?

温家宝の任期は胡錦涛よりちょっと長くて2013年の半ばまで。
その前に2012年に胡錦涛は国家主席の座を、個人的には仲の良い太子党の習近平に明け渡すわけで、これにより中国は政局も軍も太子党が勢力を持ち、これまでにない連携を構築する世襲独裁国家になるわけです。

当然ながら敵対者には問答無用の弾圧迫害を加える強権政治体制が確立するでしょう。
温家宝はこれを乗り越えなくてはいけないわけですが、今回の訪日でその足がかりがつかめるかもしれないのです。

以前もお伝えしたとおり、震災前に来日して日本の土地をあちこちで買いまくっていた中国人富裕層の8割以上は共産党幹部子弟、つまり太子党に近いグループであり、その投資具合は半端ではありません。

ちなみに千葉の木更津には横浜中華街から持ってきたような大きな中華門が出来、中国企業に売り払われたホテルは完全に中華風になっているようですよ。↓
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110116/crm11011621440016-n1.htm

ところが今回の震災で日本中が放射能汚染されているかのような中国国内の風評や報道で、彼らが狙っていた土地の転売や企業展開はもう望めません。
これらの不動産を購入した中国人富裕層は大打撃を受けており、その多くが党幹部の子弟なのです。

そこで温家宝が日本国民と菅首相に恩を売る形でパフォーマンスを繰り出し、日本の安全性を訴え、中国国内における風評被害を緩和させれば、日本に不動産などの財産を持つ太子党にも恩を売ることができると言うもの。
何より、風評による日本工業製品の輸入ストップで、一番困るのは中国。
日本の技術によって作られる高度な工業製品が入ってこなければ、中国のハイテク化はまったく望めないのです。

それに中国人自身、日本の放射能被害よりも自国の環境被害の方が格段に問題をはらんでいることに気付くのは時間の問題。

温家宝は弱っている日本に対し大国の懐の深さを示すために、最大限の笑顔を振りまき、日本人の対中感情をとことんくすぐって喜ばせてくれることでしょう。
そして政治に関心の薄い多くの日本人は、中国に一方的に恩や親近感を感じることになりかねません。

さらに菅さんはその見返りに、日本向けに輸出される中国食品や中国製品の危険性を訴えるような報道を、何らかの形で押さえ込むことを求められ、これを実行するでしょう。


中国は尖閣沖体当たり事件の後、名古屋や新潟の領事館拡張移転が頓挫したことで、騒ぎを起こせば、実益が減ることを学習しています。

だから民間保釣団体を支持したりせず、6月の尖閣遊覧デモに肩入れせず、むしろ活動家の動きを封じ込めているし、解放軍の盛り上がりを押さえ込んで、尖閣海域に軍を展開させたりはしないのです。

大体にして去年おととし当たりから、南京虐殺に関しても、まったく反論しないでしょ?

でもその隙にこっそりと首都の土地競売が行われ、麻布の一等地が大使館用地として評価額より低い60億円少々で落札されているのです。これ、たいへんなことですよ。
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jcast-94883/1.htm

彼らの情況を把握し、彼らの身になって考え、
彼らが隠すものを照らし、彼らが黙る時に声を上げる。

ピンチこそがチャンスなのです。

どうぞ温家宝の笑顔に騙されるバカな政治家がいませんように。
中国の対日姿勢は手段を選ばぬ「超限戦」の一環であり、その動きは「個人の都合」が多分に入っていることをお忘れなく。