みなさん、こんにちは。
このところ続けてお送りしている「中国からの謎の病気」ですが、今日は私の手元にある患者のアンケートの回答結果についてお知らせします。

このアンケートは、症状を訴える患者が連絡を取り合い、質問事項に答えたものを回収したもので、本来は130人分あるのだそうですが、私のところに現在あるのは63人分だけです。
今回はこれを手書きで集計してみました。
違う欄に書きこまれているものや、質問自体を勘違いしていたり、無回答もあり、私自身が手作業でやってますので、多少誤差があるかもしれません。


まず、私が心配だったのは、この回答者の中に生産業従事者がいないかどうかです。
残念ながら、調査票には患者の職業記載欄はありません。
ですから、回答者にどれくらいの割合で風俗嬢などがいるかは分かりません。

ただ、私が見てカウントしたところ、回答者は63人(当初64人かと思っていたら、一人がダブっていました)で、うち男性が60人、女性は3人です。

年齢別では20代が30人、30代が20人、40代が8人、50代が1人。 無回答もあります。

また、回答者の中にはHNから日本人と思われる方が3人ほどいますが、回答の時点(ほとんどは今年3月末)では中国在住です。

患者の居住地域は中国各地に広がっていますが、アメリカ在住者もいて、特に多いのは四川省(8人)、浙江省(7人)、上海市(5人)、広東省(4人)です。


感染方法としては、「コンドーム有りの本番」が22件、「コンドーム無しの本番」が18件、オーラルが5件、その他(「傷のある手で女性の陰部に触れた」「危険性の高いことをした」などという記載や具体的回答のないもの)が18件。

医者先生がこの病気をまだ心因性としか捉えていないのに、「唾液で感染する」という説があるのは、自他の回答を見た感染者の認識から出た話ではないかと思われます。

また、本人が特定した「感染日」から発症までは、翌日発症が3人、3日以内が10人、1週間以内が13人、一月以内が21人、3ヶ月以内が5人、一年以内が8人です。
記載していない人もいます。
一年と答えた人の中には感染から回答日までの期間を書いている人もいます。

しかし感染日を発症直近の性交渉日としている場合、それ以前の性交渉が原因である可能性もあるので、本当にその日が感染日かどうかは分かりません。

感染させてしまった相手としては、「妻」が34件、「子供」が17件、「父親」が19件、「母親」が18件いて、兄弟間も1人、友人間は14人、同僚間は13人いました。
友人や同僚、兄弟などの項目には感染させた人数について書きこむ欄がないので、実数は不明です。

また同時進行で付き合っている複数の女性にうつしてしまったという男性や、以前からこの病気を病んでいる父からうつったという人もいます。

それから、急性期と後期を比較して、「大幅に緩和した」という人は最も多くて24人、「少し緩和した」が13人、「緩和しない」が9人、「悪化している」が6人、無回答が12人です。

症状などについてもその種類や程度が細かく書いてありますが、私は手書きで計上しているので、まとめ切れません。
検査項目には、「CD4/CD8」「CD4絶対値」等の専門的な項目もありますが、私のような医学素人にはそれをどう読みとくのかが分かりませんでした。


以上、参考までです。

完治するのかどうかは分かりませんが、「大幅に緩和した」と答えている人が多いのは救いです。

しかし一方、この病気の死者がいても回答のしようがありませんし、完治した人がいても、直ってしまえば感染者のネットワークに参加するメリットはないので、このアンケートに回答する人はいないと思われます。

中国の新聞記事にもありましたが、こうした患者の書き込みなどは掲示板に書き込めばすぐに消されてしまうそうですし、第一患者も身元を特定されるのは社会的危険が伴いますから、このアンケート自体回収するのが大変だったと思います。

またここには書けませんが、補助欄には感染者の悲痛な叫びが書きこまれているものも多かったです。

「心因性のものではないか」とも言われていますが、この病気と国内感染者の存在を皆さんにご紹介している私自身、そうであって欲しいと願っています。まじで。

しかし、心因性の病気が家族にまで伝染するのか。
それとも、はたから見て症状がわかるほどに、がっちり暗示にかかるものなのか?
感染者自身が感染していることを伝えることは難しいであろう同僚にまで感染の様子が認められるのは、どうしてなのか?

謎は深いですね。