首の痛みやコリ、または、肩甲骨の内側に重ーい痛みが随伴したり、肩上部の筋肉に強いコリ痛みを訴える患者さんがいる時、腕や手指に症状が無いか確認して、何にもなければ、適応っぽい感じですよね。

 

椅子に座った状態で、患者さんの頭を下に向け、後頚部の起立筋群や頭・頚板状筋の筋硬結を探します。(大まかにですけど、レベルは記憶しておきます)

 

少し、頭を回旋させて、乳様突起の後ろに触れる頭板状筋を軽く押してみて、圧痛と症状が似ているのか確認します。

 

次に、側屈してもらって、斜角筋群や胸鎖乳突筋のストレッチ痛の有無を確認し、圧痛と症状が似ているかも聞きます。

 

確認したい肩甲挙筋の側と反対方向に45度くらい回旋してもらい、顎を引いて、前屈してもらいます。この時、同側の手の甲をお尻の下にはさんで座ってもらいます。首の付け根で肩に続く部位の高さ(C7と肩峰を結ぶレベル)より2横指くらい上に肩甲挙筋の筋束を触れられます。すぐ後ろは僧帽筋、すぐ前は胸鎖乳突筋です。ピンポイントで指圧して圧痛を確認します。

 

左右にMAXで回旋してもらい、胸鎖乳突筋などのテンションを確認します。

 

上を向いてもらい、ゆっくり最大伸展位まで進展させ、痛みを確認し、おでこのちょっと上から長軸に対してゆっくり押し下げるようにストレスをかけます。痛みやしびれの部位を確認し、症状と似ているかを聞きます。(ジャクソンテストですね。)

その位置から、少し左(もしくは右)に回旋してもらって、また頭を押し下げて、症状の有無を確認します。(スパーリングテストですね。)

 

僧帽筋の上部線維に硬結が無いか探ります。特に肩甲骨内上角の上あたりによく圧痛や硬結がみられます。上角部であれば肩甲挙筋との区別を触察でしておきましょう。基本は、筋に対して垂直に押して、その圧を変えずに、筋束の方向(筋走行)に対して垂直方向にゆっくり動かすと、筋の走行の違いで区別できますね。

 

菱形筋は僧帽筋の下層にありますのでわかりにくいです。でもこれも、左右横方向に走る僧帽筋の中部線維と、上の棘突起から斜め下の肩甲骨内側に向かって走る菱形筋の区別をつければいいわけですから、上述した方法で確認してみましょう。ただ、肩甲骨の肩甲棘基部で強い圧痛があるのは大体菱形筋ですね。

 

肩甲骨内側縁で、肩甲棘基部より下にある硬結は、前鋸筋だったり、僧帽筋下部線維だったりしますので区別が必要。肩甲棘の内側半分から棘突起に向かって走るのが僧帽筋下部ですので、それで区別は簡単にできます。

 

頚部の緊張が強くて、うまく首の後屈ができない場合も多くあります。座って行うのをあきらめて、仰臥位にさせて、後頚部に両手掌を滑り込ませ、両方の中指を重ねて、下から棘突起を上に持ち上げて、局所的に頸椎の伸展を他動的に行います。この姿勢だと比較的首の筋肉が弛緩しており、病態のある頸椎レベルの判別がしやすい利点があります。C7から頭部へ順に上がりながら、伸展させて確認していきます。

 

よかったら、家族、友人、同僚、仲の良い理解のある患者さんなどで試してください。