2017年1月からモーリシャスの首都Port LouisのCity Clinicであはき診療を始めて、4年5か月が過ぎました。

昨年、今年の2年連続でCOVID-19によるロックダウンを経験しましたが、それでも、当初予想よりも集患できていると思います。

細かい説明は省きますが、最初の2年間(2017,2018)と、直近の2年間(2019,2020)では、明らかに傾向が違います。

2019年は3週間の日本帰国があり、その他に1週間の夏季休暇をとりましたし、2020年はロックダウンで約2カ月間診療休止がありましたが、最初の2年間より、施術延べ人数は多く、ここに記載していませんが、稼働率も上昇しています。

 

週20人を目標に、データをこまめにとりながら、施術料金や施術時間を変更して、初年度から目標以上に集患できていました。この週20人という数字は、クリニックのチェアマン(88歳)が長年の経験から(というより、専門分野のドクターの平均的診療数から)導き出したもので、当初は「最初はボチボチでいいから」と、目標達成なんて考えていないようでした。

 

受付、電話、会計、駐車場、トイレなどなど、クリニックによって運営されている部分は、モーリシャスの私立病院の中でも最低クラスで、患者さんからも毎日のようにクレーム・不満噴出です。ですから、こちらで頑張れる部分は笑顔、思いやりのある対応、挨拶、正確な診断と適応判断、丁寧な説明、症状に対する結果をできるだけ明確に認識させる施術、家庭でのセルフエクササイズ指導などを限られた時間内にやりきるだけです。

 

最初の方は、どうしても患者さんとのコミュニケーションが淡泊で、初回に明確な治療方針を理解してもらえていなかったために、2回以上来院してもらう、いわゆるリピート率が低かったのですが、2019年から、「4回で患者さん自身で痛みをマネジメントできるまでになる」もしくは、「8回で殆ど気にならないところまでにする」という言い方を、場合分けしてやるようにした結果、4回以上来院する人の割合がグッと増え、さらに10回以上くる常連割合も増えてきました。

 

新患数および新患率は、常に高く保ちたいところですが、現在は約15%です。開始から3年間は約26%くらいと、今より10%以上も高かったのですが、患者数は今の方が多いのです。なぜ、2020年に激減したかというと、それまでは院内紹介が新患の多くをしめていたのですが、TCM(中国伝統医学)診療が2019年12月に始まってからは、院内紹介のすべてをTCMにする方針になったからです。また、強引な手法で私を希望してきた患者さんまでTCMにまわしていたことも理由のひとつでした。

2020年以降は、新患さんの多くが「口コミ」によるものが急増しています。クリニック内でパンフレットを手に取って予約する人よりも、口コミ時にパンフレットを説明材料にされて来院される人が増えているようです。その名の通り「フライヤー」の役割を果たしています。

公共交通機関が発達していなくて車社会のモーリシャスでは、商圏が広く、患者さんの50%が半径5km以内、75%が10km圏内に住んでいます。首都ポートルイスに隣接する、まあまあ高級住宅地のエリアからいらっしゃる方が比較的多いです。

施術の比率は比較的に鍼治療が多めです。訴える痛みの程度に依存して鍼治療の割合が増えます。とは言ってもマッサージの方が人気が高いのは言うまでもありません。

日本でやるより、患者さんの年齢層は少し若いですね。

 

主訴分析では、圧倒的に痛みが多く、運動器系の痛みに対する治療が私の特長・代名詞とされています。痛風や尿路結石の痛みまで回されてくるくらいです(笑)。もちろんお断りしますが。潔く、適応範囲を尖らせた方が、同業他社・者との差別化に貢献しているようですね。

以上、大まかですが、営業の実際です。

2021年は、それまでよりさらに忙しくなっています。例年、ホリデーシーズンで来院数が少なくなる時期にも40%増しですので、かなり増えそうです。

同じ方向性の日本人施術者が増えれば、食い合いではなく、相乗効果が期待できるほどのポテンシャルを持っています。絶対、開業すべし!すぐじゃないけど優良人材募集中です!!