ワーホリ編その5 クックタウン苦戦 | シドニー日本人会釣り部2012-16

シドニー日本人会釣り部2012-16

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翌朝は夜が明けると同時に宿を出発、歩いて桟橋の方に出かけます。
桟橋で釣りをしたかったのですが、すでに先客が陣取っていたので周辺を探ることにしました。
私はシャロークランク、伊藤くんはポッパーです。
しばらくすると伊藤君に魚がかかります。スピニングのパックロッドがひん曲がってなかなか寄ってきません。
ランディングしたのは小さなトレバリー、ルアーごとつかんで持ち上げるとえらの動きに合わせてぎぃぎぃと鳴き声をたてます。
師匠の写真撮影係です。
どうやってルアーを動かしてるんだろうと伊藤くんを観察です。
彼はトップが好きで中学生の頃に則さんの「ブラックバス釣りの楽しみ方」を読んで影響を受けたのだと言ってました。
伊藤くんの操るポップRは移動距離が少なくポーズの時間が長めで、ポップ音は「もわあぁぁぁ」と甘ったるく糸を引く感じです。
緩急をつけて低い音、高い音を交互に発しながら岸ぎりぎりまで引いてくると水中から突然影が飛び出して炸裂します。
岸近くで暴れるのをなだめてランディングしたのはベビーサイズのクィーンフィッシュでした。
またもや写真係、師匠に脱帽です。

ポップRをこれ程までに表情豊かに操る人をその後見たことがありません。
伊藤くんと同じポップ音を奏でようとしても、全く出来ずに20年が経ってしまいました。

その後は桟橋近くにあるカフェで朝食をとり、9時から3時までボートを借りる予定になっていたので桟橋近くのスロープで待ち合わせです。
スズキの四駆でボートを牽引してやってきたのが伊藤くんがケアンズで電話して予約を入れたボート屋さんでした。
犬を2匹連れており、毛並みがよく大切に飼われているのがひとめでわかります。
河口域の地図を手渡され、それにはいくつかのバラマンディーの実績ポイントに×印がしてありました。
希望を胸に抱いて出発です。広大な河口域をしばらく遡るとだんだんと川幅が狭くなってきました。大きく曲がったところで遠目に水面が騒がしくなっているのが見えます。
「今がチャンスだよ」伊藤くんが呟きます。二人でルアーを投げますが一向に反応がありません。
ルアーには見向きもしないのです。魚の正体は全くわからずじまいです。後ろ髪を引かれながらさらに上流へ移動します。
流れが枝分かれしてだんだんと細くなり、両岸はマングローブになっています。
水路のひとつに入り込み、ボートを流れに任せてドリフトさせ、ルアーを岸沿いにキャストします。
伊藤くんがオールで器用に方向転換しながらポジションをとります。エレキなしで印旛や牛久に通っていたそうなのでオールの扱いには年季が感じられました。
実際、私がオールを握るとルアーをキャストするどころではなくなってしまうのです。
全体的に水深が浅く感じられたマングローブ帯では魚の反応がなく、ボイルのあった場所に戻ることにしました。
元に戻ってみると水面はすでに静かになっており、魚は見当たりませんでした。
桟橋方面へ向かいます。
スロープが近くなってきたところで岸沿いをクルーズしている魚を見つけました。
ルアーをキャストすると追ってきますがあと一歩のところで反転してしまいます。
伊藤くんがマリアのザ・ファーストをキャストするとロッドが曲がります。
釣れたのは60センチほどのバラクーダでした。
大きく開いた口には尖った歯が並び、新品のルアーはすでにガビガビです。

3時が近くなり、ボートスロープに戻ることにしました。
その後、太陽が傾くまで桟橋で小魚を釣って遊んだのでした。

水平線が見たこともないようなオレンジに染まり、暮れ残った空に星がちらつき始めると海が黒くなり、夜がやってきたのです。
翌日も早いので宿に戻り、休むことにしました。

翌朝はボート屋さんの家に直行です。おんぼろのスズキの四駆の助手席には犬が陣取り、お客の我々が後ろの荷台に乗り込んでスロープに向かいます。
たびたびエンストするこの車でケープヨークまで行ってきたと聞き、少なからず驚きました。
当時、何人かの日本人がオフロードバイクでケープヨークに向かい、消息を絶ったと聞いていたからです。
出発しましたが、昨日と同じく魚の反応がありません。伊藤くんは厭になってしまったようで昼にはボートを降りてしまいました。
午後になって一人で上流方面へ向かいましたが砂のハンプに座礁し、ボートを降りて腰まで水に浸かり、ボートをやっとこ元に戻したら釣りする気分ではなくなってしまいました。
ゆっくり時間をかけてスロープに戻ります。
伊藤くんとボート屋の人に釣れなかったことを告げてボートを返しました。
その後は桟橋で釣りをすることにしましたが、本当にルアーで魚が釣れるのか疑心暗鬼になってしまいました。